2022 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化の発症・進展におけるアポA-Vの役割の解析:遺伝子欠損ウサギを用いた研究
Project/Area Number |
20K08858
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
新見 学 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (80644898)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松久 葉一 佐賀大学, 総合分析実験センター, 助教 (20754253)
チェン ヤジェ 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任助教 (90867756) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | アポA-V / 中性脂肪 / リポ蛋白代謝 / 脂質異常症 / ウサギ / CRISPR-Cas9 / ノックアウト |
Outline of Annual Research Achievements |
CRISPR-Cas9技術を用いてapoA-Vノックアウトウサギの作製に成功した。昨年度までの技術的な課題を克服して、高率に変異導入個体を得ることができた。ウサギアポA-Vのエクソン3を標的にしたガイドRNAを用い、Cas9蛋白とともにNew Zealand Whiteウサギの受精卵(238個)へマイクロインジェクションを行い、偽妊娠雌性レシピエントウサギ(7匹)に受精卵(189個)を移植した。6匹の仮親から23匹の生存産仔を得られ、DNA塩基配列解析の結果、19匹に変異導入が確認された。19匹中16匹が両アレルに、3匹が片アレルに変異が認められ、全ての変異で未成熟終止コドンの導入が推定された。両アレルに変異が導入されたホモ欠損(KO)ウサギの血漿脂質表現型を検討した。普通食下において、KOウサギの総コレステロールは野生型(WT)ウサギの1.4倍、中性脂肪(TG)は1.5倍に上昇した。血漿リポ蛋白を超遠心分離により分画し解析したところ、VLDL-CおよびVLDL-TGもそれぞれ、2.5倍、1.8倍に上昇した。また、高コレステロール食飼育下では、KOウサギの血漿TGは絶食下でWTウサギの3.1倍に上昇した。非絶食下ではKOウサギで著しい血漿TG増加が見られ、WTウサギの7.2倍に上昇し1000 mg/dLを超えるKOウサギも認められた。
|