2022 Fiscal Year Annual Research Report
Regulation of beta cell fate during dedifferentiation
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20K08866
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
白川 純 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (70625532)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 膵β細胞 / 分化転換 / 交感神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
分化した細胞が膵β細胞由来かどうかを可視化するために、膵β細胞から分化転換した細胞は緑色の蛍光(mGFP)を、膵β細胞から分化転換していない細胞は赤い蛍光(mTomato)を細胞膜に示すIns1-Cre:mTmGマウスにくわえ、膵β細胞から分化転換した細胞は赤色の蛍光を、膵β細胞から分化転換していない細胞は緑色の蛍光を示すIns1-Cre:R26GRRマウスも作成した。このマウスにおいても、高容量のストレプトゾトシンSTZを投与して高血糖状態にし、6日後に解析したところ、頭部の膵島では、膵β細胞から膵PP細胞への分化転換のみを認め、尾部の膵島では、膵β細胞から膵α細胞への分化転換を認め、膵δ細胞への分化転換は差を認めなかった。これらの結果を膵切除モデルや急性インスリン抵抗性モデルでも検証し、同様の結果を得た。 シングルセル解析により交感神経系の関与が示唆されていたが、透明化により、膵臓における膵島への交感神経線維の分布を明らかにした。特に、グルカゴンを発現している膵α細胞への交感神経線維が明らかとなった。6-OHDAによる交感神経破壊により、膵β細胞の分化転換における空間的不均一性が生じることも明らかにした。 さらに、ルシフェラーゼを用いた発行マウスを用いてSTZ投与後の膵β細胞の系譜に関する解析も実施し、STZ投与後にも膵β細胞そのものは生存しており、他の細胞へ分化している可能性を生体内で確認することができた。 またシングルセル解析を通じて、膵β細胞量が、膵PP細胞を経て膵α細胞に分化する経路が示唆された。これより、膵β細胞は障害を受けた場合に、膵PP細胞へ分化転換し、さらに交感神経線維の刺激により膵α細胞へとさらに分化転換する可能性が考えられ、糖尿病状態における膵β細胞を保護する治療戦略に寄与することが期待された。
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