2021 Fiscal Year Research-status Report
肥満の病態形成におけるコレステロールエステル加水分解酵素の役割の解明
Project/Area Number |
20K08870
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
高橋 学 自治医科大学, 医学部, 客員研究員 (70406122)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肥満 / コレステロールエステル加水分解酵素 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満や動脈硬化の病態形成にはマクロファージが重要な役割を担っている。中性コレステロールエステル(CE)水解酵素1(NCEH1)はマクロファージに豊富に発現し、脂肪滴に蓄積したCEを加水分解する酵素である。NCEH1を全身性に欠損しても骨髄細胞特異的に欠損してもマクロファージ泡沫化促進により、マウスの動脈硬化病変が悪化することが報告されている。一方、高脂肪食で飼育し形成された肥満では白色脂肪組織(WAT)にマクロファージが動員され、脂肪組織マクロファージとしてWATの慢性炎症や全身のインスリン抵抗性の形成に重要な役割を果たしていることが報告されている。肥満の病態形成におけるNCEH1の役割の解明のため、野生型(WT)、NCEH1欠損マウス(NCEH1KO)に高脂肪食負荷を16週間行った。予備検討でみられたNCEH1KOによる体重増加抑制はみられなかった。さらに24週間の高脂肪食負荷を行ったが、同様にNCEH1KOによる体重増加抑制はみられなかった。また精巣上体脂肪に明らかな形態学的な違いはみられなかった。血清脂質に関して、NCEH1KOはWTよりコレステロールが低下し、トリグリセリドには差がみられなかった。血糖値には差がみられなかった。今後脂肪組織や肝組織の遺伝子発現解析や血清脂質変化のメカニズムの解析を進めていく予定である。また、先天的肥満モデルマウス(ob/ob)のバックグランドのNCEH1KOを作成し、肥満におけるNCEH1の機能の解析を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
動物飼育施設の移転があったため、研究開始時にマウスの繁殖から開始したため遅延が生じていた。COVID19の影響による遅延もあった。予備検討でみられた高脂肪食負荷によるNCEH1KOの体重増加抑制がみられなかったので、高脂肪食負荷期間を16週間から24週間に延長した。
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Strategy for Future Research Activity |
高脂肪食を24週間負荷した結果、WTおよびNCEH1KOマウスの体重増加に差はみられなかったが、血清脂質に差がみられており、そのメカニズムの解析を行っていく予定である。また、先天性肥満モデルであるob/obマウスと交配し、肥満モデルマウスにおいても解析を進めている。
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Causes of Carryover |
動物飼育施設の移転やCOVID19の影響で実験に遅延が生じたために、次年度使用額が生じた。高脂肪食負荷後の脂肪組織や肝組織の遺伝子発現解析に使用する予定である。
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