2021 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的遺伝子・エピゲノム解析による性成熟疾患の病因の解明
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20K08876
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
鈴木 江莉奈 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 分子内分泌研究部, (非)研究員 (60726785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 圭子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 分子内分泌研究部, 上級研究員 (90542952)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エピゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、性成熟疾患における新規発症責任遺伝子を同定することとエピゲノム状態の変化を明らかにすることである。本年度は、思春期遅発症患者を対象にDNAメチル化解析を行い、下記の成果を得た。 思春期遅発症に関与するDNAメチル化変化を同定するため、既知責任遺伝子バリアント陽性の思春期遅発症男性患者9例、健常成人男性8例と健常男児4例を対象に網羅的DNAメチル化アレイ解析を行った。得られたデータを用いてバイオインフォマティクス解析を行い、思春期遅発症男性患者と健常男性群との間でDNAメチル化レベルに有意な差を認める1,000以上のプローブを同定した。有意差を認める1,000以上のプローブの中から、つぎに挙げる2つの方法でメチル化異常を示すプローブを抽出した。第一に、ベン図解析を行い、患者間で重複して変化するプローブを抽出した。第二に、2,000 bp以内の領域で3つ以上のメチル化変化を示したプローブを含む領域をメチル化可変領域 (DMR)と定義し、DMR領域とDMR領域内に存在するプローブを抽出した。2つの独立した方法で抽出したプローブのDNAメチル化変化が思春期遅発症男性患者において存在するか否かを明らかにするため、解析対象数を増やしてパイロシーケンス法によるDNAメチル化解析を行った。既知責任遺伝子バリアント陽性の思春期遅発症男性患者13例、原因不明思春期遅発症男性患者31例、健常成人男性50例を対象にパイロシークエンス法を用いてDNAメチル化率を算出した。一部の既知責任遺伝子バリアント陽性の思春期遅発症男性患者においてエピゲノム変化が存在するという結果を得ている。現在、得られた結果について論文投稿の準備を進めている。
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Research Products
(1 results)