2020 Fiscal Year Research-status Report
微小環境酸性化がpHセンサー受容体を介して骨代謝と寿命に与える影響
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20K08879
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
茂木 千尋 群馬大学, 生体調節研究所, 助教 (00375528)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | pH / Gタンパク質共役型受容体 / 骨代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨量は骨芽細胞による骨形成と破骨細胞による骨吸収のバランスにより調節され、そのバランスはホルモンなどの細胞外の要因に強い影響を受ける。細胞外のプロトンにより活性化されるGタンパク質共役型受容体OGR1/GPR68は骨芽細胞と破骨細胞にも発現していることから、OGR1は低pH環境を感知するセンサーとして骨代謝を調節していると考えられる。OGR1/GPR68は細胞外のプロトンにより活性化される受容体で、味覚、痛覚におけるTRPV1、ASICsがpH4-6に応答するのに対し、OGR1ファミリーは中性に近いpH 6-8を感知する。このことより、より生理的な条件に応答していると考えられるが、局所でのpHへの応答などを調べることは難しい。このため、受容体発見当初より破骨細胞と骨芽細胞でOGR1の発現が示されていたにもかかわらず、OGR1を介して低pHを感知し個体の骨代謝が変化することを明らかにした論文はない。そこで、本研究はマウスにアシドーシスを誘導し、アシドーシスがOGR1を介して骨密度骨代謝へ与える影響を調べた。さらに魚類のウロコには破骨細胞と骨芽細胞が並んでいることに着目し、新たな器官培養システムとして評価することとした。本年度はいくつかの条件のサカナのウロコを破骨細胞のマーカーである酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ(TRAP)で、骨芽細胞はアルカリホスファターゼ(ALP)により染色した。また、骨代謝評価に欠かせないステロイドホルモン測定系の構築も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属研究室の移行に伴い、計画していた順番通りでの研究の進行ができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
1年目から2年目に予定していた代謝性アシドーシスがマウス血中の骨代謝マーカーを測定する研究についてはコントロールを含めて十分な例数を取って進める。ウロコを用いた骨代謝評価については、ウロコを培養して短期的、もしくは長期的な酸性条件が骨芽細胞と破骨細胞に影響するのかを骨代謝酵素活性を指標に評価する。
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Causes of Carryover |
参加予定であった学会がコロナ感染症拡大のため中止になり、旅費を使用しなかった。 所属研究室の移行に伴い、予定よりも人件費をしようしなかったため。
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Remarks |
1.2020年12月5日最も短命な脊椎動物、ターコイズキリフィッシュ(Nothobranchius Furzeri)を用いた老化研究 茂木千尋、石谷太、第11回ペプチド・ホルモン研究会、Zoomにて開催(主催:了徳寺大学)口頭発表
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Research Products
(8 results)