2022 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺におけるオートファジーの調節機構及び発癌過程における意義
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20K08888
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
蔵重 智美 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 客員研究員 (60568955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永山 雄二 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (30274632)
嶋村 美加 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (90736406)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 甲状腺 / オートファジー / 細胞死 / TSH / PKCシグナル伝達経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実績1 甲状腺細胞においてオートファジーがホルモン調節に関与するかを研究するためにin vitroではラット甲状腺細胞株PCCl3、in vivoでは野生型マウスを使用して実験を行った。結果としてTSHはcAMP-PKA-cAMP応答エレメント結合タンパク質であるERKおよびPKCシグナル伝達経路を介してオートファジー活性を正に調節するのに対し、甲状腺ホルモンは甲状腺細胞におけるオートファジー活性を阻害した。オートファジーによって生成される代謝物はTSHによって刺激されるタンパク質合成に必要とされている可能性がある。 研究実績2 遺伝子操作マウスを使用したマウス研究を実施した。BrafCA/wtマウスは、Creを発現するアデノウイルスの甲状腺内注射の 1 年後に甲状腺がんを発症したが、アデノウイルスを注入した BrafCA/wt;Atg5flox/floxマウスでは6か月で癌の発症が観察された。この結果はオートファジーの欠損が甲状腺発癌に関与することを示している。また放射線発癌実験モデルを確立すべく、BrafCA/wt;Atg5flox/floxマウスに8GyのX線照射を行い18か月後に甲状腺の観察を行ったが病理学的な変化は確認されなかった。
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