2021 Fiscal Year Research-status Report
Functional analysis of exocytosis regulator ELKS in adipokine secretion
Project/Area Number |
20K08902
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
金 然正 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任助教 (00345266)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ELKS / 脂肪細胞 / 貯蔵脂質管理 / Rab GTPase / 液ー液相分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、開口放出制御因子ELKSの脂肪細胞選択的欠損マウス(ELKS cKO)の解析と、アディポカイン放出におけるELKS複合体の解析を進めることで、生体恒常性維持におけるアディポカイン分泌調節機構の役割を解明する。当該研究年度において、(1)足場タンパク質脂肪細胞におけるELKSの欠損が高脂肪食負荷による脂肪肝の発症を高めること、(2)ELKSが液-液相分離のトリガーとして作用し、タンパク質複合体の物性および機能変容を誘導することを見出した。(1)に関しては高脂肪食負荷による体重変動及び、20週間の高脂肪食負荷後の肝臓病変を観察した。その結果、ELKS cKOのほうが野生型マウスより有意に重い体重を計測した。さらにELKS cKOでは、野生型マウスに比べ、肥満に伴う非アルコール性脂肪肝においては脂肪肝の発症が有意に高かった。しかし、血中アディポネクチンの量は両群において有意な差が見られなかった。これらの結果は、ELKS機能の一端が脂肪細胞における貯蔵脂質の管理に関わることを示唆する。 ELKSは殆どの組織で幅広く分布する分子量約130 kDの足場タンパク質であり、全長の60%がcoiled coilドメインで構成され、coiled coilの領域特異的な結合タンパク質を有する。その中で、代表的にRab6 GTPaseが特定因子の細胞外放出に関連している。一方、ELKSと中枢神経のホモログであるCASTは液―液相分離する因子であり、過剰発現させると才能の中で液滴を形成する。貯蔵脂肪管理に及ぼすELKSの分子メカニズムを解明すべく、申請者はELKSの液滴に動員されるRabファミリーをスクリニングした。その結果、ELKSは液滴にRab18を動員することが判明された。今後、ELKSのRab18結合堂メインの同定及び貯蔵脂質管理に及ぼす機能を解明する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度では、脂肪細胞選択的ELKS欠損マウスにおける代謝変容の本質は貯蔵脂質の管理不全が原因であり、脂肪細胞においてELKSはRab18と相互作用が貯蔵脂質の管理に関わる可能性を提示した。その分子メカニズムを解明することで新しい知見を提唱する可能性が強く、概ね順調に進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
先ず、Rab18と相互作用するELKSの領域を同定する計画である。さらに、液―液相分離しないELKS変異体及びRab18結合領域を欠損させたELKS変異体を作製し、脂肪細胞の貯蔵脂質管理システムにおけるELKSの機能を立証する計画である。
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Causes of Carryover |
端数の発生であり、次年度の消耗品購入、または印刷費として執行する予定である。
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Research Products
(1 results)