2022 Fiscal Year Annual Research Report
日本人2型糖尿病感受性遺伝子GCN2が膵β細胞機能に及ぼす影響に関する検討
Project/Area Number |
20K08906
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
木村 真希 (小柳真希) 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (40623690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木戸 良明 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (10335440)
堀 裕一 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (80248004)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | GCN2 / 膵β細胞量調節 / mTORC1活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
GCN2は、アミノ酸欠乏を感知する分子で、細胞内アミノ酸欠乏状態で増加したuncharged tRNAが結合することにより活性化される。日本人においてGCN2をコードする遺伝子EIF2AK4のSNPと2型糖尿病発症に有意な相関があることが知られている。我々は高脂肪食負荷全身性GCN2ノックアウトマウスが耐糖能異常および膵β細胞量減少をきたすこと、およびβ細胞特異的GCN2ノックアウトマウスが高脂肪食負荷後の耐糖能異常および膵β細胞量減少を認めることを既に確認している。GCN2機能不全が膵β細胞のインスリン分泌能に影響を与えるメカニズムを解明することが本研究の目的である。 本研究において、高脂肪食負荷全身性GCN2ノックアウトマウスの膵島およびGCN2ノックダウンINS-1細胞においてSestrin2の発現が低下している。このSestrin2がmTORC1活性をネガティブコントロールしていることは培養細胞において確認済である。mTORC1活性調節に重要なTSC2/14-3-3結合に干渉しうる分子を同定するため、アミノ酸欠損下で培養したコントロールINS-1細胞とGCN2ノックダウンINS-1細胞においてプロテオーム解析を行った。我々は、4つの候補分子の中から、L-asparaginaseが糖負荷によりMIN-6細胞および高脂肪食負荷マウスにおいて発現が上昇することを見出し、プルダウンアッセイにより、L-asparaginaseが、TSC2のT1462リン酸化部位の14-3-3結合を競合的に阻害していることが明らかになった。今回、GCN2の下流の14-3-3に結合する分子として、抗がん剤として使用されているL-アスパラギナーゼを同定した。
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