2021 Fiscal Year Research-status Report
脂肪組織の機能不全を制御する新規蛋白の同定と病態生理的意義
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20K08908
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
江口 潤 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (60616366)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脂肪細胞 / 脂肪組織 / メタボリックシンドローム |
Outline of Annual Research Achievements |
メタボリックシンドロームは内臓脂肪蓄積型肥満に耐糖能異常、脂質異常症、高血圧症が合併した状態であり、冠動脈疾患を発症するリスクが高い集団である。内臓脂肪組織の機能異常が発症し、全身の代謝へ悪影響を及ぼすメカニズムについては未だ不明な点が多い。RNF14 (Ring finger protein 14)は、培養脂肪細胞や遺伝子改変動物を用いた予備実験によりメタボリックシンドロームにおける脂肪組織の機能不全の病態に関与していると推測される。本研究は、RNF14の脂肪細胞における機能を解析することにより、メタボリックシンドロームの発症、進展における病態生理的意義を同定することを目標としている。RNF14はマウス脂肪組織において絶食刺激によって発現が上昇することから脂肪細胞内の脂質代謝に関与する可能性が示唆され、RNF14の過剰発現を行ったところ培養脂肪細胞の脂肪融解が促進した。RNF14が脂肪細胞において脂肪融解や脂質生合成を制御するメカニズムが明らかになれば、メタボリックシンドロームにおける脂肪組織の機能不全の病態の解明や発症予防につながると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
RNF14の脂肪細胞における脂肪融解シグナルに関与する相互作用蛋白の同定が難航しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
RNF14は、メタボリックシンドロームにおける脂肪組織量の制御を行っていると考えられ、申請書の研究計画に基づいて培養脂肪細胞を用いてRNF14と相互作用する蛋白、脂肪融解を誘導するシグナルを検討している。また、RNF14欠損マウスの表現型の詳細を検討していく。
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Causes of Carryover |
2021年度に予定していた実験項目の1部を2022年度へ変更し、行うこととしたため、差額が生じた。 (使用計画) 2021年度に予定していた実験項目を2021年度に行うため、差額分を使用する予定である。
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