2021 Fiscal Year Research-status Report
グレリンとLEAP2による肝臓の糖代謝調節機序の解析
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20K08911
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
迫田 秀之 宮崎大学, 医学部, 准教授 (50376464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 維東 宮崎大学, 医学部, 助教 (90753616)
イスラム エムデイーヌルル 宮崎大学, 医学部, 研究員 (10870149)
中里 雅光 宮崎大学, フロンティア科学総合研究センター, 特別教授 (10180267)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ペプチド / 糖脂質代謝 / 臓器連関 |
Outline of Annual Research Achievements |
生理活性ペプチドは、ホルモンとしての役割に加えて、自律神経や免疫を介した多臓器連関で生体の恒常性維持に働く。肝臓や腸管から分泌される抗菌ペプチドliver-expressed antimicrobial peptide 2 (LEAP2)が、グレリン受容体の内因性アンタゴニストで、グレリンの成長ホルモン分泌と摂食亢進作用を抑制することが報告された。申請者は、LEAP2がグレリンの血糖上昇と体温低下作用にも拮抗的に働く一方で、グレリンが肝臓でのLEAP2発現を抑制することから、グレリンとLEAP2は、摂食と成長ホルモン分泌調節に関わる胃・肝臓臓器連関を示すことを報告した。本申請では、グレリンとLEAP2が肝臓で糖脂質代謝を調節する分子機序を解析し、ヒト糖尿病や肥満症、NAFLDでLEAP2を測定し病態との関連を明らかにしていく。 髄液中のヒトLEAP-2の存在を世界で初めて同定した。LEAP-2濃度は、細菌性髄膜炎の患者の髄液中で有意に増加していた。細菌性髄膜炎において、LEAP-2は局所性に産生され、潜在的なバイオマーカーとして有用である可能性が考えられた。血中と髄液中のLEAP2濃度は異なる動態を示すことから、LEAP2は脳内でも産生されることが示唆された。 カロリー制限したマウスへのLEAP2投与は、炎症を惹起しより体重減少を生じた。グレリン受容体欠損マウスでもLEAP2が同様の効果を示すため、カロリー制限下においては、グレリン受容体を介さない作用を示すと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LEAP2を対象とした、臨床研究と基礎研究で論文報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
初代培養肝細胞を用いて、LEAP2やGHSRなどの発現量調節の分子機序を明らかにする。 高脂肪食負荷マウスにLEAP2あるいは抗LEAP2マウスモノクローナル抗体を投与して、摂食量、体重、血糖など測定する。肝臓のグリコーゲンや中性脂肪含量を測定し、糖脂質代謝に関連する遺伝子群の発現量変化を解析する。LEAP2の投与が肝臓や脂肪組織の炎症を惹起するか解析する。LEAP2が糖尿病や肥満の病態に与える影響を検証する。 ヒトを対象とした臨床研究の症例数を増やして解析を進める。
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Research Products
(2 results)