2020 Fiscal Year Research-status Report
小胞体膜タンパク質ILDR2が及ぼす生体膜リン脂質の変容と脂肪肝進展機序の解明
Project/Area Number |
20K08914
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
渡邉 和寿 自治医科大学, 医学部, 講師 (60724416)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脂肪肝 / 肝硬変 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景・目的】脂肪肝は2型糖尿病の重要なリスク因子に留まらず、メタボリックシンドロームと相まった脂肪肝炎からの肝線維化は動脈硬化疾患を増悪させるため、有効な治療法の開発が強く求められている。我々は肥満マウスを用いたポジショナルクローニング法により新規糖尿病感受性遺伝子Ildr2を同定し、ILDR2が脂肪肝発症に重要な因子であることを見出した。この分子機序解明のため、ILDR2結合タンパク質を探索したところ、新規結合分子としてリン脂質脂肪酸転移酵素(MBOAT7)を同定した。しかし、ILDR2の機能やMBOAT7との相互作用、脂肪肝進展における意義は明らかでない。そこで本研究では、ILDR2発現低下が脂肪肝進展に影響を及ぼすかどうかを検討した。 【方法】ILDR2-floxマウスにAAV-Creを投与した肝臓特異的ILDR2ノックアウトマウス(LKO-ILDR2)にコリン欠乏・メチオニン減量高脂肪食を与えた脂肪肝モデルマウスを作製し解析した。 【結果】LKO-ILDR2マウスは、コントロールマウスと比べ体重減少及び肝臓の中性脂肪が有意に減少した。 【考察】当初、LKO-ILDR2マウスの肝臓中性脂肪は増加すると推測していたが、予想に反した結果となった。LKO-ILDR2マウスがコントロールマウスと比べ、早期に脂肪肝や繊維化を引き起こしたため、体重や肝臓中性脂肪の減少をきたした可能性がある。そのため、今後、LKO-ILDR2マウスの経時的な観察をする必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝臓特異的ILDR2ノックアウトマウスが早期に脂肪肝発症と肝線維化を引き起こす可能性を示す結果が得られたため、計画はおおむね順調に進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
肝臓特異的ILDR2ノックアウトマウスの経時的観察により、脂肪肝の発症・肝線維化の進展程度について解析していく。
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Causes of Carryover |
学会中止により、旅費として使用しなかったため。 残額については、次年度の助成金と合わせて論文投稿料等に使用する。
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