2020 Fiscal Year Research-status Report
膵島ホルモン分泌細胞の代謝特性の解析と偽膵島作製による代謝・分泌障害機構の解明
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20K08918
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
石原 寿光 日本大学, 医学部, 教授 (60361086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小須田 南 日本大学, 医学部, 助手 (40811609)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | インスリン分泌 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖代謝において中心的役割を担う膵島細胞の代謝過程を詳細に理解することが、個体の代謝状況に対応した応答の破綻を解析する上で重要と考え、取り組んでいる。インスリン分泌細胞における遺伝子発現抑制や過剰発現は、比較的容易に行えるようなシステムを構築した。この目的のために、染色体上で薬剤耐性プロモーターがsilencingされにくい位置を同定した。一連の成果については、特許出願を行った。shRNA発現による遺伝子発現抑制が十分に起こらない遺伝子に関しては、遺伝子そのものを破壊することも必要となったが、Crispr/Cas9法を用いることにより、可能とした。 これらによって、引き起こされるインスリン分泌細胞でのグルコースや脂肪酸代謝の変化がインスリン分泌細胞の生存やグルコース応答性のインスリン分泌にどのように影響するかを検討している。その結果、グルコースの代謝は解糖系によるピルビン酸の産生とピルビン酸のミトコンドリアへの流入から始まるミトコンドリア代謝という一筋縄の過程ではなく、途中に派生する経路によるなからぬ調節機能の影響を受けている可能性が、明らかになった。これらの解析のために、放射性同位元素14Cおよび3Hで標識されたグルコースを用いる実験法を確立し、また安定同位元素13Cで標識されたグルコースを用いる実験の準備を行っている。 また、インスリン分泌細胞とグルカゴン分泌細胞を用いた偽膵島作製による実験も進行し、両者の混合比率を変えた場合の、偽膵島の状態の解析を行った。特徴的な2種の細胞の偽膵島における配置の変化を認め、解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
通常の接着培養細胞系を用いた実験は、順調に進んでいる。一部、細胞の生存にとって重要な修飾を行った場合に、修飾が軽度にしか進まないなどの予想とは異なる結果が得られている。偽膵島の作製がやや不安定であり、実験毎のバラツキが多いので、改善策を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに、グルコース代謝、脂肪酸代謝、アミノ酸代謝など中心代謝過程の遺伝子発現を修飾することによる、細胞応答を詳細に解析していく。13C標識グルコースなどを用いた代謝フラックスの解析も加えていく。また、α細胞における遺伝子発現修飾を効率よく行うためのマスター細胞の作製にも取り組む。
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[Journal Article] Comparison of tofogliflozin versus glimepiride as the third oral agent added to metformin plus a dipeptidyl peptidase-4 inhibitor in Japanese patients with type 2 diabetes: A randomized, 24-week, open-label, controlled trial (STOP-OB)2020
Author(s)
Kitazawa T, Seino H, Ohashi H, Inazawa T, Inoue M, Ai M, Fujishiro M, Kuroda H, Yamada M, Anai M, Ishihara H.
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Journal Title
Diabetes Obes Metab
Volume: 22
Pages: 1659-1663
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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