2021 Fiscal Year Research-status Report
甲状腺未分化癌に対するLAT1とGlut1の二重阻害による分子標的治療の有用性
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20K08939
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
榎本 圭佑 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (30805750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 真喜子 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (00795594)
玉川 俊次 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (40543781)
熊代 奈央子 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (50746435)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アミノ酸トランスポーター / 甲状腺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
甲状腺未分化癌は、1年生存率が30%以下の極めて予後不良な高悪性度癌の一つである。本研究では、各種グルコーストランスポーター阻害剤とLAT1の投与による相互作用により、相乗効果が期待でき、二重阻害による分子標的治療の可能性を探索する。最近の報告によりLAT1は低酸素応答分子であるHIF2aの制御をうける事が証明された(FEBS Open Bio. 2019;9(2):241-247.)。そこでグルコーストランスポーターを介した糖代謝と、アミノ酸トランスポーターを介したアミノ酸代謝機構のメカニズムとして低酸素誘導因子であるHIF2aの関連も含めて、甲状腺未分化癌の細胞株を用いて明らかにしている。解析方法は主に細胞増殖試験、ウェスタンブロット、定量的PCR、フローサイトメトリー、蛍光細胞染色、免疫組織染色などの分子生物学的手法を用いている。画像の定量にはImageJ, 統計解析はPrismなどのソフトを用い行っている。一連の細胞実験から得られた結果は、ヌードマウスを用いたIn Vivoモデル実験を用い、二重阻害が生体内モデルにおいても甲状腺未分化癌の制御に結びつく事の確認を予定している。実験を行っていく中で、当初予定していたSGLUTやGLUT1阻害と比較して、低酸素状態、RTK阻害剤(VEGFR, EGFR, HER2)やHIF-PHがLAT1を過剰発現させ、特に治療効果を増強させる可能性が示唆された。これらの小分子化合物とLAT1阻害剤が相乗効果を生むか現在検討中である。証明された結果は、LAT1阻害剤の応用展開が予想される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していたSGLUTやGLUT1阻害を用いた糖代謝阻害剤と比較して、低酸素状態、RTK阻害剤(VEGFR, EGFR, HER2)やHIF-PHがLAT1を過剰発現させ、特に治療効果を増強させる可能性が示唆された。LAT1阻害の効果を最大に引き出す相乗効果の研究の為、新化合物への実験組み替えを行っております。
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Strategy for Future Research Activity |
低酸素状態、RTK阻害剤(VEGFR, EGFR, HER2)やHIF-PHの候補因子とLAT1発現の程度を比較して、最も過剰発現の効果が強い薬剤を用いた相乗効果の実験を行っている。AKT-mTORシグナル経路の強い制御と低酸素応答因子の関係を探索しております。
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Causes of Carryover |
当初予定していたSGLUTやGLUT1阻害と比較して、低酸素状態、RTK阻害剤(VEGFR, EGFR, HER2)やHIF-PHがLAT1を過剰発現させ、特に治療効果を増強させる可能性が示唆された。これらの小分子化合物とLAT1阻害剤が相乗効果を生むか現在検討中あり、予算の繰越しが生じました。
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Research Products
(4 results)