2022 Fiscal Year Annual Research Report
TRIMファミリー蛋白質を介する新たな乳がん悪性化メカニズムの解明と臨床応用
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20K08945
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東 浩太郎 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30401110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 聡 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (40251251)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 乳がん / TRIM47 / TRIM39 / TRIM44 / TRIM25 / ユビキチン化 / スフェロイド培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、申請者がこれまで解析を行っているTripartite Motif (TRIM)ファミリー蛋白質が、乳癌悪性化・治療抵抗性にかかわる分子メカニズムの解明とその応用を目指している。2022年度は、TRIMファミリーのうちTRIM47に結合している蛋白質の解析を行った。申請者らは、核内受容体の中にTRIM47に結合するものが存在し、その核内受容体とTRIM47両方の蛋白質を発現している術後内分泌療法の対象となった乳癌患者は予後が悪く、TRIM47のE3 ubiquitin ligase活性がそのメカニズムに影響していることが推測された。この成果は、第81回癌学会学術総会において発表を行った。 また、本研究を通じて明らかにした内容および関連領域の現在の知見を英文の総説にまとめ、Cells誌に掲載された(Azuma K and Inoue S. Efp/TRIM25 and Its Related Protein, TRIM47, in Hormone-Dependent Cancers. Cells 11, 2464, 2022) 。 また、乳癌患者の胸水より患者由来の乳癌初代培養細胞の樹立を試み、培養を継続している。 2020年度からの研究期間の全体を通じて、TRIM25、TRIM39、TRIM44、TRIM47蛋白質の乳癌における臨床的な意義やその新規作用メカニズムについて、その一部を明らかにすることができた。それらのメカニズムの多くは、ユビキチン化などに伴う蛋白質の相互作用や安定性を介するメカニズムであり、ゲノム情報をからは知り得ないものであり、ポストゲノム診療を担うオーダーメード医療の基盤となる知見となりうる。また、乳癌患者由来の初代培養細胞の樹立に関しても、複数の新たな株の樹立を行っており、今後のプレクリニカル研究の準備も整いつつある。
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Research Products
(3 results)