2021 Fiscal Year Research-status Report
Generation of human iPSC-derived liver buds resistant to hepatitis B virus infection
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20K08952
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上野 康晴 東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (60375235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 英樹 東京大学, 医科学研究所, 教授 (70292555)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ヒトiPS細胞 / B型肝炎ウイルス / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトiPSC肝芽は、様々な肝細胞特異的な遺伝子を発現するとともに、複数の肝臓代謝機能を示すことから、肝臓再構成の為の有望な細胞源と考えられる。一方で、ヒトiPSC肝芽移植技術をB型肝炎の治療に応用するためには、ヒトiPSC肝芽がB型肝炎ウイルス(HBV)に対して高い感染耐性を示すこと、さらに、ヒトiPSC肝芽の移植技術を確立する必要がある。本研究は、ヒトiPS細胞を用いてHBVに感染耐性を示すヒトiPSC肝芽の創出技術を確立し、ヒトiPSC肝芽を効率良く移植する手法を開発することを目的としている。 本年度は、ゲノム編集により樹立したHBVエントリ関連因子を欠損するヒトiPS細胞を用いて、肝細胞への分化能を評価した。我々が独自に確立したヒトiPS細胞の分化誘導系(Cell Report, 2017)を用いてHBVエントリ関連因子を欠損するヒトiPS細胞を肝細胞へと分化誘導し、様々な肝細胞マーカーの発現を評価した。その結果、HBVエントリ関連因子を欠損するヒトiPS細胞が肝細胞への分化能を保持していることを確認した。また、ヒトiPS細胞肝芽の移植実験に向け、肝臓再構成に適した肝芽の剤型検討を進めた。 今後、HBVエントリ関連因子を欠損したヒトiPSC肝芽においてHBVに対する感染耐性を確認し、ヒトiPSC肝芽の移植手法を確立することにより、HBVに感染耐性を示す肝臓再構成に向けた基盤技術の確立が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、ゲノム編集により取得したHBVエントリ関連因子を欠損するヒトiPS細胞について、肝細胞への分化能が保持されているか否かを検討した。我々が独自に確立したヒトiPS細胞を対象とする肝細胞分化誘導系(Cell Report, 2017)を用いてHBVエントリ関連因子を欠損するヒトiPS細胞を分化誘導したところ、肝細胞への分化が可能であることが確認された。また、ヒトiPS細胞肝芽の移植実験に向け、肝臓再構成に適した肝芽の剤型検討を進めた。以上より、研究は計画通りに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、HBVエントリ関連因子を欠損するヒトiPS細胞から再構成したヒトiPSC肝芽を用いたin vivo移植実験を進める計画である。移植に適したヒトiPSC肝芽作製法を確立し、生着評価を計画している。HBVに感染耐性を示す肝臓組織の人為的再構成技術は、次世代のB型肝炎治療に繋がると期待される。
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