2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K08986
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
岩舘 学 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (00381393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 佳子 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (10815145)
鈴木 眞一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (70235951)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 甲状腺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
甲状腺濾胞癌の術前診断は非常に困難であり、穿刺吸引細胞診の所見のみでは甲状腺濾胞腺腫や腺腫様甲状腺腫との鑑別は困難である。手術検体で得られた265サンプル(正常甲状腺組織、濾胞癌、乳頭癌、髄様癌、低分化癌、未分化癌、扁平上皮癌、濾胞腺腫、腺腫様甲状腺腫、バセドウ病、橋本病)を用いて網羅的遺伝子発現解析をおこなった。その結果、甲状腺乳頭癌は比較的大きなクラスターに分類されたが、濾胞癌、濾胞腺腫、腺腫様甲状腺腫は同じクラスターに分類され、区別することは困難であった。次に濾胞癌12例、濾胞腺腫38例、腺腫様甲状腺腫58例を用い、網羅的遺伝子発現解析をおこなった。最終的に14遺伝子の発現を調べ、それぞれの遺伝子発現スコアの総和を14 Genes scoreとし、Cut off値を1.2568としたところ感度91.7%、特異度91.2%で濾胞癌と濾胞腺腫、腺腫様甲状腺腫を区別することが可能であった。また、TERT遺伝子変異に関連することから、穿刺吸引材料を用いてTERT遺伝子変異の解析も試みた。穿刺吸引細胞診で悪性と診断された以外の甲状腺結節117例を対象とした。TERT遺伝子変異解析はデジタルPCR法を用いて解析し、TERTC228TとTERTC250Tを解析した。TERT遺伝子変異は腫瘍径、サイログロブリン値とは独立したマーカーであり、甲状腺濾胞癌だけでなく、腺腫様甲状腺腫においても変異がみられた。遺伝子発現検査や遺伝子変異解析により甲状腺濾胞癌の確定診断までにはいたらないが、診断補助になる可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)