2022 Fiscal Year Annual Research Report
Optimisation of surgical strategy using syngenic mouse model of of metastatic neuroblastoma
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20K08988
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
坂井 宏平 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (30515292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
文野 誠久 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40405254)
田尻 達郎 九州大学, 医学研究院, 教授 (80304806)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 神経芽腫 / 転移 / マウスモデル / 外科治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,神経芽腫の局所腫瘍切除が転移巣に及ぼす影響を分子レベルで解明し,進行神経芽腫の集学的治療における最適な外科治療戦略を確立することを最終目標とする.高率に遠隔転移を生じるシンジェニックマウスモデルを用いて,体内に微小転移を有する状態下での局所腫瘍切除を行い,転移巣の発育や,手術により変化する分子の変動を観察する. 具体的には神経芽腫自然発症マウスモデルから採取した腫瘍細胞を特殊培地で継代培養し,同種マウスに皮下移植することで高率に遠隔転移を起こすシンジェニックマウスを作成する.シンジェニックマウスに微小転移が生じてくるタイミングで局所腫瘍切除を行い,転移腫瘍やマウスの組織学的・免疫学的評価を行う.腫瘍を完全に切除する群,腫瘍を切除しない群の比較において,腫瘍の完全切除により転移巣の発育が促進されることが確認された.その後、腫瘍を切除せず手術侵襲のみを加えたSham手術群においても転移の促進効果が確認されたこのことにより,手術侵襲自体が転移巣の増悪を惹起している可能性や腫瘍への接触を伴う操作により何らかの転移促進因子が分泌される可能性が示唆された. ついで,手術侵襲を均等に加えた状態での検討を行うために,ポリ塩化酢酸ビニルスポンジを皮下に移植して,腫瘍自体は切除しないシャム手術モデルを作成し,また,腫瘍を完全に切除しない部分切除モデルを作成し比較検討したところ,ポリ塩化酢酸ビニルスポンジ群で有意に転移促進が惹起され,全身侵襲自体が転移移促進効果に寄与する可能性がある. 以上の所見から,神経芽腫において,術後の慢性炎症を防ぐ(術後合併症の予防,抗炎症薬の使用)ことで転移を抑制できる可能性が示唆された.
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Research Products
(8 results)