2020 Fiscal Year Research-status Report
Role of hepato-splenic interaction in portal hypertension
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20K08998
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Research Institution | Yamanashi Prefectural Hospital Organization |
Principal Investigator |
飯室 勇二 地方独立行政法人山梨県立病院機構山梨県立中央病院(がんセンター局ゲノム解析センター), ゲノム解析センター, 研究員 (30252018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
弘津 陽介 地方独立行政法人山梨県立病院機構山梨県立中央病院(がんセンター局ゲノム解析センター), ゲノム解析センター, チーフ研究員 (10793838)
河野 寛 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (40322127)
鈴村 和大 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50434949) [Withdrawn]
波多野 悦朗 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80359801)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肝線維化 / 脾線維化 / 門脈圧亢進症 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝炎治療の進歩に伴い、肝臓の線維化は改善するようになりました。一方、高度の肝硬変に合併する食道静脈瘤の発達や脾臓の腫大は、肝線維化が改善しても、遷延することがあります。我々は脾臓の線維化の関与を報告しています。本研究では、脾臓における器質的変化が肝臓の線維化および肝発癌に及ぼす機序を解明することを目的とします。 令和2年度は、以下の項目に関する検討を開始しています。 I. 門脈圧亢進症における脾臓線維化の詳細なメカニズムとその脾機能への影響の解明 肝硬変症例の脾臓組織の詳細な検討を行い、脾洞辺縁に存在するCytoglobin陽性の細網細胞が形態変化を起こし線維化が亢進していること、また脾洞内及び脾索内の活性化マクロファージの増多を確認しています。今後、これらの細胞に焦点を当てて、それぞれの遺伝子発現解析などを行っていく予定です。 II. 脾臓の線維化が肝線維化に影響する機序と脾摘によるその解除機構の解明 肝硬変症例のうち、脾臓を摘出した症例と摘出していない症例の肝組織を採取し(手術検体)、肝臓内に存在する非実質細胞の構成、形態などを詳細に検討しています。脾摘症例では、肝線維化が改善するとともに、肝内抗炎症マクロファージ(M2)の数が有意に増加していました。一方、肝臓内の血小板数には有意差はみられませんでした。今後、脾摘により、肝臓内に増加しているM2マクロファージに注目して、線維化改善のメカニズムを検討する予定です。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染の蔓延に伴い、研究機関の機能がコロナウイルス解析(PCR、ゲノム解析など)に費やされた影響があり、本研究の遺伝子解析があまり進まなかった。 また、同様の理由で、研究分担者の所属する研究機関とも対面での連携、試料の受け渡しなどがやや制限され、研究の進捗状況に影響した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要の項でふれたように、令和2年度に注目した細胞に焦点を絞り、遺伝子発現解析などを進めていくが、新型コロナウイルス感染の蔓延が継続している間は、本研究の遺伝子解析が遅延する可能性があり、その間に免疫組織染色などの手法で検討を進める。 また、リモート面談などにより研究分担者との連絡を密にとり、研究の遂行に努める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染蔓延の影響で、当研究施設における本研究の遺伝子解析があまり進まなかったことや研究分担者の所属機関との連携がやや取りにくかったことが理由としてあげられる。 また、学会参加による旅費を請求したが、ほとんどの学会がWeb開催となったため、学会参加費のみの請求となった。
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