2022 Fiscal Year Annual Research Report
Role of hepato-splenic interaction in portal hypertension
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20K08998
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Research Institution | Yamanashi Prefectural Hospital Organization |
Principal Investigator |
飯室 勇二 地方独立行政法人山梨県立病院機構山梨県立中央病院(がんセンター局ゲノム解析センター), ゲノム解析センター, 研究員 (30252018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
弘津 陽介 地方独立行政法人山梨県立病院機構山梨県立中央病院(がんセンター局ゲノム解析センター), ゲノム解析センター, チーフ研究員 (10793838)
河野 寛 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任准教授 (40322127)
鈴村 和大 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50434949) [Withdrawn]
波多野 悦朗 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (80359801)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肝線維化 / 遺伝子解析 / 肝細胞癌 / 脾腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝炎治療の進歩に伴い、肝臓の線維化は改善するようになりましたが、高度の肝硬変に合併する食道静脈瘤の発達や脾臓の腫大は、肝線維化が改善しても遷延します。我々はこれまでに脾臓の線維化が関与する可能性を報告しています。本研究では、脾臓における器質的変化が肝臓の線維化および肝発癌に及ぼす機序を解明することを目的としました。 令和4年度は、以下の項目に関する検討を行っています。 ・脾腫を伴う肝硬変症例の肝癌組織のゲノム解析 肝癌患者は肝維化・脾腫を伴う場合が多いですが、肝線維化・脾腫を伴わないものも存在します。両者に発生した肝癌切除標本を用い、次世代シーケンサーを駆使して癌部・非癌部の遺伝子変異を解析・比較しました。その結果、脾腫および非脾腫症例の比較では、明らかな肝癌遺伝子変異の差は見られず、脾摘による直接影響は明らかにはなりませんでした。 前年度までの研究で、肝硬変症例のうち、脾臓を摘出した症例と摘出していない症例の肝組織を採取し(手術検体)、肝臓内に存在する非実質細胞の構成、形態などを詳細に検討したところ、脾摘症例では、肝線維化が改善するとともに、肝内抗炎症マクロファージの数が有意に増加していたことから、脾摘は肝線維化の改善を介して、肝発癌を抑制する可能性があるものの、一旦形成された肝細胞癌のゲノム変異には直接関与しない可能性が示唆されました。 今後の研究の発展としては、癌化細胞周囲の微小環境にける遺伝子発現比較などにより、脾腫と肝発癌との関連が明らかになる可能性があると考えています。
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Research Products
(5 results)