2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of control method of immune response after multiple islet transplantation in anticipation of ES/iPS cell transplantation
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20K08999
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
石山 宏平 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (50437589)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 膵島移植 / 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では複数回膵島移植後の免疫応答の解明と膵島移植後の免疫細胞活性を制御する治療戦略の確立を目指している。 研究実績として、ヒト免疫系においてMSCをサイトカイン刺激して膵島と同時移植することにより免疫応答が抑制される現象が確認できるか、MSCのなかでも歯髄由来であるヒト乳歯歯髄幹細胞(Stem Cells from Human Exfoliated Deciduous teeth : SHED)と骨髄由来MSCを用いて検討を行った。 炎症性サイトカイン刺激によるMSCの表現型をフローサイトメトリーで検討したところ、SHEDではサイトカイン刺激に伴うMHC class2の発現増強を認めず、骨髄由来MSCよりも安定した細胞集団であることを確認した。更に、ナイーブでは発現していないPDL1がMSC、SHEDともにサイトカイン刺激により有意に表出することが確認できた。次に、抑制性因子であるIDO、TGF-βの産生能をELISAで確認したところ、サイトカイン刺激下にSHEDにおいてのみ有意な産生効果を認めた。PGE2の産生能についても、SHEDの方がより有意な増強効果を示した。更に、CD3/CD28磁気ビーズ刺激したヒトPBMCの活性化について、SHEDにおける強力な抑制効果が確認できた。また、この効果は、PD1-PDL1経路を遮断することで有意に抑制解除されることも確認できた。機能解析として活性化PBMCによるiPS由来ヒトβ細胞に対する細胞傷害活性を確認したところ、サイトカイン刺激SHEDの同時培養によって明らかに抑制された。 以上より、SHEDの免疫抑制効果とともに液性因子、細胞接触による抑制メカニズムの可能性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
①間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cells : MSC)の肝臓内NK細胞活性抑制に関与する作用メカニズムの証明、②MSCの免疫抑制機能が膵島グラフトに与える影響の証明、③3ヒト間葉系幹細胞がヒト膵島グラフト生着率向上に与える影響の証明、について研究を行う計画であったが、マウス実験の確立に時間を要すると判断し、③を直接証明することとした。 抑制効果が得られることと、抑制のメカニズム解析が順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
iPS由来β細胞への抑制効果は確認できたので、今後は、ヒト膵島をアルバータ大学から入手して、膵島への抑制効果を確認する。 可能であれば、免疫抑制マウスへの投与実験も計画している。
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Causes of Carryover |
動物実験を計画していたが、マウス購入費や飼育費に使うことがなかったため次年度使用額が生じた。 次年度は、ヒト膵島購入費や、動物実験再開の計画もあるため、そこに充填する予定です。
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Research Products
(2 results)