2020 Fiscal Year Research-status Report
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20K09002
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
東海林 裕 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (50623998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 恵一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (80231819)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 組織学 / 縦隔 / 内臓鞘 / 密性結合織 / 食道 / 中縦隔 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は中下縦隔方向に密性結合織がどのように連続しているのかを検討している。 本研究に関しては、本学臨床解剖学教室の屍体を用い、10%ホルマリン固定された屍体を用いて縦隔部分の組織切片を作成し、凍結寒天ブロックとした縦隔部分を水平断にて5mm間隔で切り出し、パラフィン包埋後に10μmで薄切し、H&E及びEVG染色を行いて密性結合織の連続性を検討している。上縦隔での臓器鞘および血管鞘の密性結合織が中下縦隔ではどのように連続しているのかを詳細に観察した。また中下縦隔ではMorosow間膜と上縦隔の臓器鞘が連続しているのかを評価しているところである。 上縦隔では密性結合織構造は円筒状構造ではなくて左右に進展していることが以前の我々の研究で明らかになっている。また下縦隔では右は肺門、左は下行大動脈の外膜外側、左胸膜下にいわゆる内臓鞘と考えられる密性結合織が食道を取り囲むように存在していることが今回判明し、その内容を2020年度に英文誌に投稿してpublishされたところである。現在は上縦隔と下縦隔の移行部の中縦隔での内臓鞘の構造を、左反回神経周囲リンパ節に着目しながら連続切片を作成して詳細に検討しているところである。また下縦隔でのMorosow間膜および各縦隔領域での密性結合織構造の成り立ちについては組織学的な手法に加え、胎児の標本を用いて発生学的見地からも十分に検討を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、標本作成が進行中である。スライドの検鏡および取り込み等もおおむね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は胎児の標本を用いて食道周囲の密性結合織構造を、組織学的手法を用いて発生学的見地から解明していく。胎児縦隔標本の連続切片を用いることで上縦隔から下縦隔までシームレスにその連続性および発生時期による密性結合織の相違を解明することが可能であると考えている。
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Causes of Carryover |
2020年度はCoovid-19感染症が猛威を振るい、現地での学会参加が困難となった。とりわけ予定していた海外学会も軒並みWeb開催となり、当初予定していた支出額との間に差が生じている。今年度は海外学会が再開されるか現状不明ではあるが、開催状況を見て一番状況に合った形での情報発信を行っていく。
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