2023 Fiscal Year Annual Research Report
ICG蛍光法による血流可視化と人工知能解析を用いた新規食道癌手術再建技術の開発
Project/Area Number |
20K09010
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
北川 博之 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (10403883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩部 純 高知大学, 医学部附属病院, その他 (00553877) [Withdrawn]
並川 努 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (50363289)
花崎 和弘 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (30240790)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 食道手術 / ICG蛍光法 / 胃管再建 / 血流評価 / Time intensity curve |
Outline of Annual Research Achievements |
食道癌手術においてICG蛍光法による胃管血流評価を、プログラミングを用いて時間-蛍光輝度曲線(Time intensity curve, TIC)に変換し、定量的評価法を確立することである。この方法の妥当性と、TIC構成の困難要因を把握するため、食道手術97例のICG蛍光法動画を解析した。ICG蛍光動画から挙上した胃管の吻合部周囲に4箇所のregion of interest(ROI)を設定し、PythonのOpenCV Libraryを用いてTICを65例に構成できた。TICが構成不成功の原因は、撮影中に胃管を動かしていたものと、蛍光輝度の上昇が認められなかったものが多かった。4箇所のROI それぞれの輝度上昇起点は、術者が目視で判定した蛍光時間よりも早く、TIC評価の鋭敏性を示唆していた。縫合不全を生じた群と生じなかった群を比較すると、患者背景や基礎疾患、手術方法に有意差は認めなかったが、縫合不全を生じた群は、術者目視評価による蛍光到達時間およびTICで得られたROI3の蛍光輝度起点が遅い傾向があった。左右の胃大網動脈の血流連続性の有無で比較すると、連続性が無い症例は、術者の目視評価によるICG蛍光時間が遅延し、縫合不全が多かったが、TICで得られた蛍光輝度起点には有意差を認めなかった。 この研究の結果から、ICG蛍光動画からプログラミングによってTICを構築するためには、ICG蛍光法の撮影記録中に胃管を動かさず、蛍光輝度がピークに到達して減衰するまで観察することと、胃管作成前に行ったICG蛍光法の残存する輝度を除外する適切なカットオフ値を設定することが必要と考えられた。 本研究の結果を基に、術中リアルタイムにTICを構築するシステム開発を行う予定である。
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