Effects of interaction between the neural microenvironment and immune cells in pancreatic cancer

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K09013
• Research Institution: Nagasaki University
• Principal Investigator: 田中 貴之 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (40823290)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 膵癌 / 神経微小環境 / カテコラミン / 免疫細胞 / 相互作用 / ストレス

Outline of Annual Research Achievements

ストレス環境下で誘発されるカテコラミンが、β2アドレナリン受容体（ADRB2）を介して膵腫瘍増生を促進し、そこから発生する神経成長因子が交感神経伸長を促進させ、同時に、T細胞やMyeloid cellを介して、カテコラミンがサイトカインストームを増幅し、炎症を増悪すると報告の報告から、ストレスは直接的な膵癌への影響だけでなく、免疫細胞による炎症を招き、間接的に膵発癌・増悪に関与している可能性が非常に高いと考える。そこで、本研究ではC57BL/6-Jマウスを50mlコニカルチューブに入れ、暗室に1日6時間、週5日にわたりストレス負荷をかけ、ストレス負荷直後、4週間、8週間、12週間後犠牲死させることをセットしたが、当初の予定よりも動物実験計画書の許可が下りるのに時間を要し、さらに、コロナ禍により物品などの調達に関する目途が不透明での実験開始が躊躇された。そのために、本年は、動物実験計画書の許可に対する熟考を要した。具体的にはマウスに対するストレス負荷に関しての各種助言をいただいた。ストレス負荷の定型化はこの実験において非常に重要な因子であり、今後の実験のデータ変化に大きな影響を及ぼす可能性があるために、時間をかけて動物実験施設と協議を重ねて、C57BL/6-Jマウスを50mlコニカルチューブに入れ、暗室に1日6時間、週5日にわたりストレス負荷をかけ、ストレス負荷直後、4週間、8週間、12週間後犠牲死させるということになった。そのほかのことに関しては前述のように、コロナ禍のため、実験計画書の案件を考慮し、確実に実験開始できる時期に開始することを考えることになった。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

前述したように、マウスに対するストレス負荷のかけ方について動物実験施設と協議を行っていたこと、また効率よくストレスかけるための案を模索していた。
さらに、コロナ禍における物品搬入などの問題もあり、計画していた実験通りに進まなかった。そのために、実験としては遅れているといわざるを得ない状況である。

Strategy for Future Research Activity

実験計画としての計画書も十分検討しなおされ、ストレス負荷に関しても安定した手技が確立できている。
また、計画していたマウスの実験や細胞実験も搬入についての目途もたったため、今後は計画通りにマウスに対する負荷実験並びに治療実験を行うと同時に、癌細胞を利用した実験も並行して行っていく予定である。

Causes of Carryover

今年度使用できなかった費用については、コロナ禍のために予定としていた抗体や物品搬入に時間を要していたことや前述の動物実験のストレス負荷の安定化を動物実験施設とともに熟考していたため実験がなかなか行えず、次年度使用額が生じた。
次年度には今年度行えなかった安定したストレス負荷マウスの実験やFACSなどの検討を予定とし、また同時に細胞実験も並行して行う。そのための試薬やマウスの購入などに使用する。