2020 Fiscal Year Research-status Report
Radiogenomicsによる直腸がん放射線化学療法の効果予測マーカーの確立
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20K09022
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
福長 洋介 公益財団法人がん研究会, 有明病院 消化器センター, センター長 (50731139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 誠一 公益財団法人がん研究会, がんプレシジョン医療研究センター 次世代がん研究シーズ育成プロジェクト, プロジェクトリーダー (10334814)
秋吉 高志 公益財団法人がん研究会, 有明病院 消化器外科, 医長 (50625598)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 直腸癌 / 術前化学放射線療法 / ラジオミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、術前化学放射線療法(CRT)後に、臨床的に完全寛解していると考えられる症例に対して手術を回避し経過観察すること(Non-operative management: NOM)で、手術の完全回避により良好な肛門機能温存が可能であると報告されるようになった。本研究の目的は、不必要な手術の回避による直腸肛門機能の温存を目指し、直腸がんの術前放射線化学療法(CRT)の感受性群を高精度に予測するImmuno-Radiogenomicsマーカーを確立することである。 直腸がんでは、10-15%の症例に側方リンパ節転移が生じることが知られており、治療前の画像で側方リンパ節が腫大した症例では、術前CRT後に側方郭清が施行される。しかしながら、転移陽性率は30%程度であり、CTやMRIで正確に術前CRT後の側方リンパ節転移を予測することは困難である。術前CRT後の病理学的側方リンパ節転移を正確に予測できれば、不必要な側方郭清を避けることができ、術後の排尿障害や性機能障害の改善、あるいはNOM可能な症例の正確な選別につながる可能性がある。我々は術前CRT+側方郭清で治療された進行直腸がん247症例(test set 175例、internal validation set 75例)において、CT画像から腫大した側方リンパ節のradiomics特徴量(1038個)を抽出し、test setにおいて病理学的側方リンパ節転移を予測するradiomics scoreを作成した。Radiomics scoreは、test setとvalidation setの両方において、CTにおける側方リンパ節短径よりも高精度に側方リンパ節転移を予測した。以上より、CTに基づいたradiomicsモデルは側方リンパ節転移の予測に有用であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラジオミクス解析が術前化学放射線療法後の側方リンパ節転移の予測に有用であることを論文として報告することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
術前CRT施行直腸がん200例のRNA-seqを行い、直腸がんに対する術前CRTの感受性を予測する遺伝子発現シグニチャおよび浸潤免疫細胞シグネチャを同定する。さらにCT・MRI画像の画像特性をRadiomics解析により収集し、RNA-seq情報と統合解析を行うことで、新規の術前CRT効果予測マーカーを探索する。
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Causes of Carryover |
RNA-seq解析まで至らなかったため。 今後は本研究計画を遂行するにあたって必要なRNA-seq解析などに使用する。
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Research Products
(6 results)