2020 Fiscal Year Research-status Report
新規インドール化合物による腸炎関連大腸癌抑制効果の発見と臨床応用へ向けた基盤研究
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20K09026
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大沼 忍 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (70451565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 剛 北里大学, 医学部, 教授 (50291258)
金澤 義丈 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (60779726)
阿部 高明 東北大学, 医工学研究科, 教授 (80292209)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | インドール化合物 / 炎症性腸疾患 / 腸炎関連大腸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患(Inflammatory bowel disease:IBD) は、長期経過中に大腸癌を発症することがあり、腸炎関連大腸癌(Colitis-associated cancer:CAC)と総称されている。申請者は、新規インドール化合物 MA-35 が、炎症性発癌 マウスモデルにおいて大腸の炎症および発癌を抑制することを発見、その抑制メカニズムの 一部を解明し報告した。 しかし、MA-35 による発癌抑制メカニズムの全容は十分に解明されていない。 本研究の目的 は、AOM/DSS マウスモデルにおいて、MA-35 投与により変化する 1)腸内細菌叢のプロファイ ル、2) 腸管免疫細胞のフェノタイプを解析し、MA-35 が何を標的にし、炎症性発癌を抑制 するのか、腸内細菌叢と腸管免疫の観点から明らかにすることである。また、MA-35の薬物動態を明らかとすることである。 初年度として、MA-35の薬物動態解析の一環として、消化管上皮 に発現する ABC transporter (ABCB1, ABCG2)が MA-35 を基質とするのかどうか ABC transporter 発現細胞株を用いFACSによる薬剤排出試験を行った。細胞株として、子宮頸がん細胞株のKB3-1、そのABCB1発現細胞株であるKBV-1、また慢性骨髄性白血病細胞株であるK562と、ABCBG2発現細胞株であるK562/BCRPを用いた。その結果、MA-35 (25, 50 μM)はABCB1、ABCG2の基質輸送機能に影響しないことが明らかとなった。さらに、大腸癌細胞株(HCT116)を用い、MTSアッセイによる細胞毒性試験を行った。結果、MA-35のIC50は100 μMであり、MA-35の細胞毒性は低いものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた実験を行うことができた。MA-35の薬物動態解析の一環として、消化管上皮 に発現する ABC transporter (ABCB1, ABCG2)が MA-35 を基質とするかどうか、また、大腸癌細胞株に対する細胞毒性を検討することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
AOM/DSSマウスモデルにMA-35を投与し、腸内細菌叢プロファイルの解析を行う予定である。 1)コントロール、2)MA-35 群、3)AOM/DSS 群、4)AOM/DSS/MA-35 群の4群を設定し、各群から糞便を採取 (ICR マウス:各群 n=6)。各群の腸内細菌叢のプロファイルを比較検討する。腸内細菌叢解析は16S rRNA 解析を行い、腸内細菌の多様性を評価し、包括的な種を検出する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症蔓延による行動制限発令により実験実施制限がありました。このため実験計画を遅らせております。翌年度に繰り越した予算は、マウスの腸内細菌解析などに使用予定です。
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Research Products
(1 results)