2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of deep learning algorithms to detect minor lymph node metastases of gastric cancer for histopathologic specimens
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20K09027
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
林 秀樹 千葉大学, フロンティア医工学センター, 教授 (20312960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 裕一郎 富山大学, 学術研究部医学系, 特命助教 (90826471)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 診断精度検証 / 自動教師データ作成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,研究のベースとなっている病理専門医のmanual anotationによる教師データを用いた機械学習の診断精度に関し検討を行った。分化型胃癌18症例のリンパ節転移陽性例から51個の転移陽性リンパ節を摘出し,サイトケラチン免疫染色サンプルを参照したH-E標本の転移巣anotationを最初に行い,転移陽性部分から切り出した224x224ピクセルの画像パッチを,リンパ節陰性20例の胃癌症例から得た同数の転移陰性画像パッチデータと共に,ResNet152を用いた機械学習を行った。全データを5等分したcross validationで検証を行った。今回はisolated tumor cell(ITC)を検討対象から外して検討したところ,AUC=0.9994と,病理専門医の光学顕微鏡を用いた診断精度とほぼ同等の成績を得た。しかしながら,FROC解析において,感度=1.0を得るには1リンパ節当たり3個の偽陽性を許容する必要があり,ITC診断を高い精度で行うには問題が残されていることが確認された。この結果に関しては論文化し投稿中である。 本研究では,一つのリンパ節切片から,サイトケラチン免疫染色画像とH-E染色画像の双方を取得し,自動で2画像の位置合わせを行い,サイトケラチン染色画像をマスクとして転移陽性部分をオートメーションで切り出し教師画像を作成する手法の検討が重要な課題の一つであるが,本年度の検討で様々な問題が明らかとなった。免疫染色脱色時の組織剥離が無視できない頻度で起こることがわかり,接着性の高い専用のスライドグラスが必要であることが判明した。また,免疫染色における発色ムラの補正,ゴミ画像の除去などのオートメーション化は可能であったものの,正常組織の非特異的染色部分の除去に関しては更なる検討を要することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は,本研究課題申請時までに得ていた分化型胃癌症例のデータを用いた機械学習の診断精度検証が中心となったが,投稿中であるものの論文化に至った点は良かったと考えている。現在,内容改訂の段階であるが,査読者からは,複数施設からのデータによる検証を求められており,新たな課題を課せられた格好となっている。 また,未分化型のデータを含めた精度検証を行うと,FROC解析において,偽陽性をリンパ節当たり3個許容しても,感度は88%程度に低下したため,未分化型を含めたリンパ節転移画像データの収集が急務であると考え,本年度は新たに,胃癌の一般組織型すべてを含む22例,91個のリンパ節標本を新たに取得し,H-E,サイトケラチン双方のデータの取得を行った。この間,他の検討作業が一時中断する形となった。 この他,画像の位置合わせや補正プログラムを担当する予定だった大西助教が海外転出により連携作業が難しくなった。機械学習を担当している吉村に加え,大学院生が本課題を新たに担当することになったため,予定より検討作業に時間を要することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
論文投稿により,胃癌リンパ節転移のAI診断に関する検討結果を早期に報告することの重要性が明らかとなったため,査読者の指摘に従い,令和3年度に,複数施設で共同したAI転移診断精度の検証試験を行う。現在,獨協医科大学埼玉医療センターと共同で行う臨床試験の計画書を作成し,倫理審査に提出済みである。 この他,担当予定者の転出により滞っていた,教師画像データ作成のオートメーション化や,動物のリンパ節画像データを用いた転移学習の有用性等に関し,新たに配置した大学院生と共に進める予定である。
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