2020 Fiscal Year Research-status Report
DNAとRNAによる複合バイオマーカーパネルを用いた膵癌治療アルゴリズムの構築
Project/Area Number |
20K09033
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉田 龍一 岡山大学, 大学病院, 助教 (80534768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香川 俊輔 岡山大学, 大学病院, 准教授 (00362971)
重安 邦俊 岡山大学, 大学病院, 助教 (70544071)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 膵癌 / リキッドバイオプシー / ctDNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、3年の研究期間内に、DNA・RNA・循環血液中の腫瘍由来DNA(circulating tumor DNA; ctDNA)を用いた複合バイオマーカーパネルを作成し、発癌から進展の過程で癌細胞に蓄積された分子生物学的特性による個別化を図り、膵癌のプレシジョン医療を確立することを目的としている。ctDNAの解析では膵癌切除100例を対象に,QX200 Droplet Digital PCR システムを用いてKRAS遺伝子のmutation analysisを行った。結果、腫瘍由来のKRAS mutationを血中に認めた症例は極めて予後不良であり、新たな治療戦略構築に有用なバイオマーカーとしての意義を見出すことが可能であった。 2021年度には下記研究を行う予定である。 Ⅰ. 膵癌治療応答性を反映したctDNA内KRAS遺伝子変異の経時的モニタリングと予後との相関を検証 Ⅱ. 腫瘍DNAの解析 Ⅲ. 腫瘍RNAの解析
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ctDNAの解析で行ったKRAS遺伝子のmutation analysisでは、計画段階での仮説の通り、腫瘍由来のKRAS mutationを血中に認めた症例は極めて予後不良であり、従来のバイオマーカーとの差別化も可能であるdataが得られた。 腫瘍RNAの解析では、計画段階での仮説の検証が困難で引き続き実験を進めて行く予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、下記研究を主に遂行予定である。 Ⅰ. 膵癌治療応答性を反映したctDNA内KRAS遺伝子変異の経時的モニタリングと予後との相関を検証 Ⅱ. 腫瘍DNAの解析 Ⅲ. 腫瘍RNAの解析 これまでに得られた結果と遂行予定の実験結果を併せて、真の切除適応や最適な切除時期の同定が可能となる「真に臨床に生かせる膵癌の複合バイオマーカー」作成に取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
実験消耗品の購入が当初の予定より安くすんだため、次年度繰越金が生じた。この繰越金は、次年度の実験消耗品に用いる予定である。
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