2021 Fiscal Year Research-status Report
手術支援ロボットにおける運動力学評価を用いた技術評価とトレーニング法の開発
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20K09041
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
瀧口 修司 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (00301268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 了 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (70423853)
田中 達也 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (20529169)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ロボット支援手術 / 手術支援ロボット / モーションキャプチャー / 手関節 / リストワーク / 手術トレーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
手術支援ロボットにおける運動力学評価を用いた技術評価とトレーニング法の開発を目的とした本課題において、まずは最も重要な動きの抽出を行なった。 手術支援ロボットは術者の手の動きを完全に再現するマスタースレーブ方式を取っている。そのため、操作は直観的あり、腹腔鏡手術よりは日常動作と類似しており馴染みやすい。さらには、腹腔鏡手術の鉗子と異なり、手関節の動きで鉗子を自由に曲げることが可能である。しかしながら、ロボット支援手術を始めたばかりの術者の多くは、腹腔鏡手術の直線的な鉗子操作に慣れているために手術支援ロボットの鉗子の可動域を十分に活かしきれていない。このことは、ロボット支援手術に熟練した術者とそうでない術者の鉗子動作を見ても感じることである。それを客観的に明らかにするため、モーションキャプチャーを計画した。 まずは、比較する動作を決定した。手術支援ロボットに搭載したスキルシミュレーター内において、着眼しているリストワークが現れやすい動作を含む複数のタスクを選定した。学生、研修医、熟練した外科医において、リストワークに差がありそうなことを録画した動画クリップにおいて確認した。 次に、モーションキャプチャーを行うための機器・装置の決定である。当初予定していた光学式の装置はデモにより不適切であることが確認された。そのため、慣性式の機器を2つ試用したがいずれも精度において再現性に乏しく、不適切であると判断した。 今後は候補の機器のデモを早急に行い、実際の研究でデータを取得して解析する。さらには熟練した術者の動きを再現するに有効な動きを初級者に伝えるための有効な練習法等を作成し、実際のトレーニングを行なっていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究のための手術動作選定と、パイロットスタディー(肉眼的観察)でリストワークに差がありそうであることの確認はできた。 しかし、モーションキャプチャーのため当初予定していた光学式の機器ではデータ採取が困難であった。そこで慣性式機器を2つデモしたが、いずれも精度が不十分であった。限られた空間内の比較的細かな動きのデータ化が予定外に難しく、進捗の妨げになっている。これまでのデモを踏まえて、次なる機器のデモを行うことにしているが、新型コロナ感染症による行動制限により、これも遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
モーションキャプチャー機器に関して、WEB面談を含め選定は進んでおり、デモで精度を確認出来たら、研究を速やかに開始する。また、補助的に、操作する鉗子そのもののモーションキャプチャーができるよう別で準備を進めている。準備が間に合えば、より詳細な検討ができるよう併行して研究を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
当初予定したモーションキャプチャー機器の精度不良とコロナ禍によるデモの困難さにより機器購入が出来ていないため、次年度使用額が生じた。
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