2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K09042
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
赤堀 宇広 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (10423922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 忠隆 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (20833700)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 異所性脂肪 / 運動療法 / CD36 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,近年多くの癌腫で取り入れられつつある運動療法(抗がん剤治療中の運動療法,手術症例における術前,術後のリハビリテーション)が,腫瘍細胞の増殖や宿主免疫機構などに影響を及ぼすかを脂肪酸の細胞内取り込みに中心的役割を果たす脂肪酸トランスポーターで,最近様々な癌種の転移・増殖に関わることが解明されつつあるCD36に着目し,現在でも最難治癌とされる膵癌において,以下(1) 運動負荷が担癌マウスに及ぼす影響の検討,(2) CD36発現の変化が腫瘍転移機構,腫瘍増殖に与える影響の検討,(3) 宿主免疫機構へ与える影響の解明,(4) 膵癌術前治療施行患者に対する運動介入の有効性を検証する臨床試験を行うものである. 現在,B-6マウスにおけるCD36発現を確認の上,high-fructose water (HFF)食(60% fat, 20% protein, 70% carbohydrate)を与えたマウス,ストレプトゾシン誘発糖尿病マウス(C57BL-6NCrlCrlj) にHFF食を与えたマウスで,骨格筋,肝臓,心筋におけるCD36発現をReal-time PCR法を用いて定量している.ベースとなる動物モデルとなる骨格筋異所性脂肪の発現が安定しておらず,CD36発現状況との関連性を確認することに難渋しており,現在,新たなマウスモデルの想定も含め,多方面にコンサルトし,一旦,異所性脂肪(脆弱性をともなす)を有するマウスモデルではなく,脆弱性を持たない担癌マウスを作成した上で,運動介入を行い,腫瘍組織,心筋,骨格筋におけるCD36発現程度と脂質量を計測するとともに,生存率,腹膜転移個数,インスリン抵抗性,炎症性サイトカイン,各種アディポサイトカインなど)を計測しつつある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脂質の代謝に重要な役割を果たし,筋肉の脂肪化,腫瘍細胞の増殖・転移能に関連し,かつ運動療法でその発現が変化することが確認されている脂肪酸トランスポーターであるCD36の発現を実験に必要なモデルマウスにおいて安定して確認することが困難であり,その後のマウスにおける運動介入に吹き切れていない状況である,
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Strategy for Future Research Activity |
元々,異所性脂肪と患者脆弱性という臨床的な知見から始まった本試験であるが,脆弱性を持つマウスという当初の目標にこだわることなく,視点を変え,まず,脆弱性を持たない担癌マウスを作成した上で,運動介入を行い,当初の各種測定,実験を行い,その上で,再度,脆弱性が想定されるマウスモデルを作成し,上記実験を行う方針とする.
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