2020 Fiscal Year Research-status Report
癌微小環境内のエクソソーム情報の変化に基づいた薬剤耐性機序の解明と耐性解除の探索
Project/Area Number |
20K09043
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
上野 昌樹 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90405465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
速水 晋也 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (00468290)
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
川井 学 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (40398459)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 癌微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍微小環境で発現されるPD-L1の多寡と肝細胞癌の腫瘍悪性度の間に弱い関連性があることが観察された。このため、予後とも相関が認められる可能性が得られた。一方、腫瘍周辺に存在するCD8陽性T細胞の集積程度は強く関連性を認めた。よって、PD-L1の多寡よりも腫瘍微小環境に存在するCD8陽性T細胞のfunction statusが、特に免疫チェックポイント阻害剤の反応性を規定する可能性が示唆された。CD8陽性T細胞集積の重要性は、腫瘍免疫抑制状態を遺伝子変異の観点から4つの表現型(腫瘍関連マクロファージ浸潤型・CTNNB1変異型・ cytolytic activity型・regulatory T cell浸潤型)に分類した、これまで報告をサポートするものであった。腫瘍周辺に存在する線維芽細胞とCD8陽性T細胞とのinteractionは、未だ解析できおらず、今後、解析を進めていく。 一方、末梢血に含有される可溶性PD-L1の多寡と肝細胞癌の腫瘍悪性度との関連性を示唆するデータも得られた。むしろ、腫瘍微小環境におけるPD-L1の発現多寡よりも、血液内に循環している可溶性PD-L1の多寡の方が、免疫チェックポイント阻害剤の反応性を予測する上で重要である可能性が得られたが、未だ臨床サンプル数が少ないため、解析を追加して結果を確立させる必要がある。また、CD8陽性T細胞の肝臓への供給源として門脈血に着目し、門脈血液のCD8陽性T細胞の存在分布およびfunctional status をFACS解析したところ、個々に異なることが分かり、免疫チェックポイント阻害剤の反応性には宿主因子も関与する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ感染症のパンデミックのため、研究作業に対するエフォートを十分に得ることが出来ない状態であり、計画全体が滞っている。現時点において、可能性を示唆するデータは得られつつあるが、未だ確立には至っておらず、データを発表できる状態ではない。ただし、臨床サンプルの収集は継続的に行っており、コロナ感染症のパンデミックが収束すれば、ストックしたサンプルの解析に注力し、データの確立に努める。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、腫瘍周辺に存在する線維芽細胞とCD8陽性T細胞を含む免疫担当細胞とのinteractionの解析を進めていく。また、門脈血液のCD8陽性T細胞を含む免疫単と細胞の分布およびfunctional statusが個々に異なることが示唆されたため、門脈血液中に含まれるエクソソーム情報と免疫担当細胞の分布との関連性、さらには腸管免疫との関連性を解析する予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度は、コロナ感染症のパンデミックのため、研究業務のエフォートを減らさずおえず、当初の計画通りに研究遂行ができなかった。解析に回せなかったサンプルはストックしてあるので、2021年度は後れを取り戻すべく解析量を増やし、次年度繰り越し金を充当させる。
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Research Products
(2 results)