2021 Fiscal Year Research-status Report
新規免疫治療創出を目指したMSI-low上部消化管腺癌の網羅的免疫・ゲノム解析
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20K09046
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
今村 裕 公益財団法人がん研究会, 有明病院 消化器外科, 医長 (70583045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 誠一 公益財団法人がん研究会, がんプレシジョン医療研究センター 次世代がん研究シーズ育成プロジェクト, プロジェクトリーダー (10334814)
清谷 一馬 公益財団法人がん研究会, がんプレシジョン医療研究センター 免疫ゲノム医療開発プロジェクト, 主任研究員 (30433642)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 食道胃接合部腺癌 / マイクロサテライト不安定性 / 腫瘍免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
MSI-high腫瘍は、遺伝子変異数の著増とネオ抗原の産生、その結果著明なリンパ球浸潤と免疫チェックポイント分子の高発現を特徴とし、多くの癌種で独立した表現型であり、抗PD-1抗体治療薬が有効である。しかしながらMSI-lowに関しては、そのゲノム変化や腫瘍免疫の特徴を明らかにしようとした報告は非常に少ない。そこで本研究では、ゲノム変化や腫瘍免疫の観点から、その特徴を明らかにすることを目的とする。今回、MSI-lowを除外するのに有用なBAT40をNCIの5マーカーに加えることとし、MSI-PCR法(BAT25、BAT26、BAT40、D2S123、D5S346、D17S250)を行った。判定方法は、2つ以上のマーカーで不安定性を示した場合をMSI-high、1マーカーのみをMSI-low、認めないものとMicrosatellite stable (MSS)とした。エピジェネティックな変化に関して、消化管腺癌に選択的なCpGアイランドプロモーターのミニパネルを用いて解析を行うも、有意な相関は認められなかった。 CD8+リンパ球浸潤の検討では、MSI-L腫瘍はMSSと比較して、腫瘍内 において有意に高度な浸潤を認めた (P = 0.048)。つまり、MSI-L腫瘍ではMSSとは異なり、抗腫瘍免疫が発動している状況であることが示唆された。一方、腫瘍辺縁部 ではそのような変化は認められなかった 。次に、腫瘍細胞におけるPD-L1陽性率 (TPS 1%以上を陽性と定義)を検討したところ、MSI-L腫瘍のPD-L1陽性率はMSSと同じく低レベルであり、PD-1/PD-L1を介した免疫回避機構の関与は否定的であると考えられた。MSI-H腫瘍においては、腫瘍内および腫瘍辺縁部の両方で有意にCD8+リンパ球浸潤を認め、またPD-L1の発現も22%の症例で認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に問題なく順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
TP53遺伝子変異型と、MSIステータスとの有意な相関が認められたことから、腫瘍局所におけるリンパ球浸潤状態との統合解析を行う予定である。
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[Presentation] Molecular subtypeと食道浸潤長からみた食道胃接合部腺癌の至適リンパ節郭清範囲2021
Author(s)
今村 裕, 蟹江 恭和, 丸山 傑, 坂本 啓, 藤原 大介, 岡村 明彦, 金森 淳, 高松 学, 布部 創也, 吉田 直矢, 沖 英次, 森田 勝, 森 正樹, 馬場 秀夫, 佐野 武, 渡邊 雅之
Organizer
第121回日本外科学会定期学術集会
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[Presentation] 胸部操作を要する食道胃接合部腺癌に対する術前SOX療法の有効性:ESOX試験2021
Author(s)
今村 裕, 市村 崇, 峯 真司, 石塚 直樹, 渡邊 雅之, 陳 勁松, 對馬 隆浩, 原 浩樹, 野村 基雄, 尾形 高士, 三梨 桂子, 倉持 英和, 民上 真也
Organizer
第59回日本癌治療学会学術集会
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