2021 Fiscal Year Research-status Report
NETsを介した膵臓癌EMT-MET plasticity機構の解明
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20K09050
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
賀川 真吾 千葉県がんセンター(研究所), 肝胆膵外科, 主任医長 (90507302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 重紹 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (20436380)
大塚 将之 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (90334185)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Myl9 |
Outline of Annual Research Achievements |
Myl9は血小板から放出され、網目状構造を形成することからMyl9 netsと呼ばれている。膵癌患者血漿中Myl9の発現が高値は、膵癌切除検体においてリンパ管侵襲、静脈侵襲、神経浸潤と相関し、膵癌の転移メカニズムに関与していることが示唆された。 膵癌切除検体における検討においても、膵癌細胞の細胞質内でMyl9が高発現している症例では早期の血行性転移再発をきたし、結果として予後不良であった。 このメカニズムにつき、膵癌細胞株においても検討することとした。Myl9の発現は、概して、膵癌原発巣由来の膵癌細胞株に比べ、転移巣由来の細胞株で高値となっていた。 原発巣由来膵癌細胞株Panc-1 と転移巣由来膵癌細胞株 CFPAC-1 につきsiRNAを用いMyl9をノックダウンし、コントロールと比較した。 Myl9をノックダウンすることにより、proliferationには影響を及ぼさないものの、migration assay、invasion assayにおいて、それぞれ細胞の運動能、浸潤能が低下した。 Myl9の発現はin vitroの実験系においてもがん細胞のmotility, invasivenessに関与していることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初血液中の血小板由来Myl9発現について注目していたが、膵癌細胞自体にもMyl9 の発現が認められ、癌細胞由来のMyl9と血小板由来のMyl9の発現につき検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の仮説である好中球再妨害トラップ(Neutrophils extracellular trap; NETs)とMyl9 の関係についても、蛍光免疫染色等により証明していく。
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Causes of Carryover |
研究室の残試薬を用い当該年度における経費削減に努めた。コロナ禍により海外での報告の機会が消失した。
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