2021 Fiscal Year Research-status Report
膵癌におけるPD-L1/PD-1クロストークが癌細胞に与える影響
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20K09058
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
今井 克憲 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (60555746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 洋市 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (00404070)
岡部 弘尚 熊本大学, 病院, 非常勤診療医師 (40573621)
山尾 宣暢 熊本大学, 病院, 非常勤診療医師 (70836337)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 膵癌 / 腫瘍微小環境 / PD-L1 / PD-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
当科および関連施設にて外科的切除を施行した膵癌235例を用いて、膵癌腫瘍微小環境を形成する免疫担当細胞であるCD8陽性T細胞、regulatory T細胞、腫瘍浸潤マクロファージ、および膵癌細胞のPD-L1の発現を免疫染色にて網羅的に解析した結果、癌細胞におけるPD-L1や腫瘍浸潤マクロファージ、CD8陽性T細胞が膵癌切除術後の再発および予後に影響を与えることが示された。膵癌細胞株8種を用いてPD-L1の発現をreal-time PCRおよびflowcytometry法にて解析した結果、PK8やS2-013でPD-L1が高発現しており、PANC-1で発現がほとんどないことを確認した。PK-8およびS2-013にリコンビナントPD-1を添加したところ細胞増殖が有意に活性化し、PANC-1ではほとんど増殖活性に変化はなく、PD-1からPD-L1のシグナルが癌細胞の増殖に関与していることが示された。現在、そのほかの機能解析を進め、さらにこのPD-1/PD-L1シグナルの詳細について解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
膵癌細胞株におけるPD-L1の発現がそれほど強くないためか、検証実験がなかなか進められずにいる。
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Strategy for Future Research Activity |
膵癌細胞株にPD-L1を強制発現させ、これにリコンビナントPD-1を添加して、PD-L1/PD-1クロストークにおける膵癌側の下流遺伝子の同定を行い、機能解析を継続していく予定である
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Causes of Carryover |
理由:試薬、消耗品については、医局内保管のものを使用することができた。また、旅費については、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により学会開催形式がハイブリッド開催へ変更となる事が多く出張が減った為、未使用額が生じた。
使用計画:試薬、消耗品の購入費に充てたいと考える。また、最新の研究情報を得るため、及び、研究成果発表のための学会出張旅費にも充てたいと考える。
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