2020 Fiscal Year Research-status Report
胃癌における容積活性化アニオンチャネルVAACの機能解析と低浸透圧療法への応用
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20K09084
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
當麻 敦史 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30516191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大辻 英吾 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20244600)
塩崎 敦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40568086)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 胃十二指腸外科学 / イオンチャネル / 低浸透圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、まず、ヒト胃癌組織における容積感受性チャネル蛋白LRRC8Aの発現レベルを解析した。胃癌組織において、癌細胞の細胞膜・細胞質にLRRC8A発現が確認された。LRRC8A高発現群、低発現群で比較すると発現強度は深達度 (pT)、脈管浸潤と関連した。生存解析ではLRRC8A高発現群では低発現群に比べ有意に予後不良であり、多変量解析では高発現は独立した予後不良因子であった。次に、種々のヒト胃癌細胞株におけるLRRC8A発現を解析し、NUGC4、MKN74においてLRRC8Aが高発現していることを確認した。NUGC4、MKN74に対してLRRC8A siRNAをトランスフェクションしたところ、細胞増殖能、遊走・浸潤能が低下しアポトーシスが惹起された。Microarray解析では胃癌細胞株に対するLRRC8Aのノックダウンにより、p53 signaling pathwayに関与するJNK、p53、p21、Bcl-2、FASなどを含む多くの遺伝子発現が変化していた。 また、種々のヒト胃癌細胞株におけるSLCO2A1発現を解析し、MKN7、MKN45においてSLCO2A1が高発現していることを確認した。MKN7、MKN45に対してSLCO2A1 siRNAをトランスフェクションしたところ、細胞増殖能が低下しアポトーシスが惹起された。更に、胃癌組織において、癌細胞の細胞膜・細胞質にSLCO2A1発現が確認された。現在、臨床病理学的因子との相関解析や、予後解析を進めている。また、胃癌細胞株にLRRC8A siRNAやSLCO2A1 siRNAをトランスフェクションし、低浸透圧刺激に対する反応性の解析を検証している。 一方で、食道癌におけるANO9 (Ann Surg Oncol. 2020)、CLCN2 (Ann Surg Oncol. 2021)、CFTR (Ann Surg Oncol. 2021)、胃癌におけるANO9 (Cancer Sci. 2021)などのイオン輸送体の機能解析・臨床病理学的意義を解明した。同時に、上部消化管癌における、イオンチャンネルを介した細胞死・生存制御機構に関する新知見と既報を総説論文としてまとめた(Front Cell Dev Biol. 2021)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画のうち、ヒト胃癌組織における容積感受性チャネル蛋白LRRC8Aの発現解析、癌細胞におけるLRRC8Aを介する細胞周期・アポトーシス・細胞浸潤制御機構の解明、癌細胞におけるSLCO2A1を介する細胞周期・アポトーシス解析などの基礎実験は、ほぼ終了している。また、上部消化管癌における種々のイオン輸送体の機能解析も進展しており、研究成果は既に国内外の学会で発表し、英文雑誌にも投稿・掲載されている。現在、胃癌細胞株のLRRC8A 、SLCO2A1発現調節(siRNA)と低浸透圧刺激に対する反応性の解析、胃癌組織におけるSLCO2A1の発現・予後解析、SLCO2A1 ノックダウン後のMicroarray解析も進行しており、研究目的・研究計画はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、ヒト胃癌細胞株におけるLRRC8A、SLCO2A1のsiRNAや発現ベクターを用いた際の低浸透圧刺激に対する反応性(RVDや、低浸透圧殺細胞効果への影響)の解析を行う。また、温度刺激(低温・高温)によるLRRC8A、SLCO2A1発現変化・細胞内局在変化・低浸透圧刺激に対する反応性への影響を検証する。更に、マウス胸膜転移モデルを用い、in vivoにおけるLRRC8A、SLCO2A1発現レベルによる低浸透圧細胞破壊療法反応性、温度が及ばす影響について検討する予定である。
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Research Products
(18 results)