2020 Fiscal Year Research-status Report
The novel strategy of ubiquitin-fusion cancer vaccine through the specific delivery to XCR1+ Dendritic cells
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20K09086
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
宮澤 基樹 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90549734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
勝田 将裕 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (50464673)
尾島 敏康 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60448785)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 樹状細胞 / メソセリン / 遺伝子導入 / ユビキチン |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らはケモカイン受容体XCR1を発現する樹状細胞部分集団(XCR1陽性樹状細胞)が、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)応答を強く誘導することに着目し、XCR1リガンドであるXCL1に腫瘍抗原を連結させ抗腫瘍効果を増強させることに成功した。一方、樹状細胞がんワクチンの開発において、腫瘍抗原とタンパク分解シグナルであるユビキチンを遺伝子レベルで融合させDCに導入することで、プロテアソームによる腫瘍抗原の分解亢進と抗原提示能の増強に成功した。本研究では、これらの2つの基盤的研究の成果を踏まえ、ユビキチン融合腫瘍抗原をXCR1陽性樹状細胞へ選択的に送達させることで極めて効率的に細胞傷害性Tリンパ球を誘導し、抗腫瘍効果を最大限に増強することを明らかにする。まず、実験に用いる安定的にヒト樹状細胞を確保するためiPS樹状細胞を用いることとした。健常人ドナーの末梢血単核球(PBMC)よりiPS細胞を樹立し,5ステップ法にて樹状細胞を分化誘導させた。腫瘍抗原として膵癌、胃癌で高発現し、免疫原性の高いヒトメソセリンをiPS樹状細胞に遺伝子導入した。これを用いてPBMCからメソセリン特異的CTLを誘導し,クロム遊離試験でin vitro細胞傷害活性を解析した.結果、メソセリン発現細胞に対する細胞傷害活性を認め,メソセリン特異的CTLが誘導されていることが確認できた.今後は,ユビキチン、メソセリン融合遺伝子導入iPS樹状細胞によるCTLの誘導能を確認するとともに、さらにXCL1遺伝子を連結させ、XCR1陽性iPSDCに選択的に送達するこで、より腫瘍効果を高めることが可能か検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験の効率化のため、ヒトiPS細胞から樹状細胞を誘導して安定的に樹状細胞を使用できる実験を導入した。iPS樹状細胞の誘導実験は確立することに成功し、腫瘍抗原をiPS樹状細胞に導入することで、腫瘍抗原特異的細胞傷害活性を有するCTLを誘導することが可能となった。今後はiPS樹状細胞を用いた実験系で、ユビキチン腫瘍抗原融合遺伝子、さらにXCL1融合ユビキチン腫瘍抗原遺伝子を用いることで、誘導されたCTLの抗腫瘍効果の増強について検討していく。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はユビキチン、メソセリン融合遺伝子導入iPS樹状細胞によるCTLの誘導能を確認するとともに、さらにXCL1遺伝子を連結させ、XCR1陽性iPSDCに選択的に送達するこで、より腫瘍効果を高めることが可能か検討していく。それと並行してUb-XCL1連結ワクチンの免疫学的機能解析を行う。Ub-XCL1連結ワクチンのXCR1陽性樹状細胞に対する選択的走化性を検討する。マウスモデルでもUb-XCL1連結ワクチンの抗腫瘍効果検討する。XCR1+DC欠失遺伝子改変マウスを用いた抗腫瘍効果の検討も同様に実施する。また、臨床応用に向けたデータ集積のため、倫理委員会承認の上、膵癌患者の血中および癌、所属リンパ節でのXCR1+DCの発現解析と予後との相関を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で、国内外の関連学会への直接参加が不可能となったため、旅費としての予算を次年度に繰り越すこととなった。次年度は関連学会に積極的に参加して最新の知見を得るとともに、実験の進捗状況を見ながら、必要な研究関連の試薬や消耗品の費用として使用する予定である。
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