2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the mechanism of colorectal cancer-associated fibroblasts to promote cancer malignancy and treatment resistance
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20K09088
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
渋谷 智義 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (60365616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折茂 彰 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (70275866)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 大腸癌 / オルガノイド / PDXモデル / CAFs / 浸潤・転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
難治性大腸癌の転移再発に対する現行の化学療法や分子標的薬の治療効果は不十分であり、根治的治療の開発が望まれている。大腸癌の間質に多く存在する癌内線維芽細胞 (Carcinoma-associated fibroblasts : CAFs)は癌細胞の浸潤、転移や治療抵抗性獲得に関与していることが知られているが、その分子機構はまだ不明な点が多い。以前、申請者らは患者由来大腸癌細胞が単一細胞ではなく、上皮および間葉系の性質を呈した癌細胞集合体を形成することにより効率的に浸潤・転移することを明らかにした実績がある。 本研究において22例の手術により摘出された大腸癌部および非癌部の検体を採取した。これらの検体を酵素処理後、primary cultureし21例でCAFsおよ びコントロールの線維芽細胞のペーアーでの樹立に成功した。また、がん組織の一部を酵素処理し8症例の大腸癌オルガノイドも樹立した。上皮細胞、間葉系細胞や血球系細胞に特異的な抗体を使用した免疫組織染色を施行し純度の高い線維芽細胞が樹立されていることが確認された。また、RNA-sequencingにより非癌部由来の対照線維芽細胞と比較して、CAFsにおいて有意に発現が亢進している遺伝子が複数同定された。本年度の研究実績として、研究に必要な臨床サンプルからの線維芽細胞とヒト大腸癌オルガノイドの樹立に成功したことがあげられる。 今後は3D大腸癌オルガノイド培養や、CAFsと大腸癌オルガノイドの共培養系の樹立やマウスへの同所共移植によるPDXモデルを作製し、CAFsで誘導される癌浸潤・転移の生物学的研究を進めていきたい。 またCAFで高発現している特定の遺伝子発現をshRNAでノックダウンし、癌浸潤・転移への影響を調査したい。
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