2020 Fiscal Year Research-status Report
癌関連線維芽細胞をターゲットとした大腸癌微小環境制御を目指した基礎的研究
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20K09108
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
田村 耕一 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (70468289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田宮 雅人 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (10816698)
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 癌微小環境 / 癌関連繊維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,癌先進部の微小環境では癌細胞のみならず,線維芽細胞,血管内皮細胞,免疫細胞など多数の間質細胞が存在し,癌の進展に関与することが注目されている.大腸癌においても,癌先進部の間質に癌関連線維芽細胞 (CAFs)が存在し,予後との関連などは報告されているが,不明な点が多い.癌微小環境内の主要素である線維芽細胞に関しては,間質由来のみならず,骨髄由来または血管外膜由来の割合の把握することで,浸潤・転移や血管新生を調節し得る可能性を秘めている.当教室で手術を行った大腸癌手術標本検体より抽出した線維芽細胞(腫瘍部及び非腫瘍部)をマウスxenograft modelに皮下移植し,腫瘍の増殖能や血管新生能の検討を行う.さらにGFPでラベリングしたマウス骨髄細胞をNOD/SCIDマウスに移植し,腫瘍内の線維芽細胞における間質由来/骨髄細胞由来の割合と悪性度の検討を行う.大腸癌に関してCAFsの癌細胞と間質のinteractionの解明を目的として,様々な由来から誘導されたCAFsを臨床検体とマウスモデルを用いて抽出・検討する. CAFsの癌細胞転移の初期にみられる誘導・活性化と癌微小環境の再構築時にみられる変化には違いがあると考え,間質変化のメカニズムを解明し,間質をターゲットとした薬剤と既存抗癌剤との新規ハイブリッド癌治療開発へと繋がることが期待される.我々は上記方法にて癌先進部における癌関連線維芽細胞についての評価を予定しているが, 評価する部位や用いる基準・試薬・機器によってCAFsの割合に大きくばらつきがでることが判明したため, 評価方法を再検討中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
所属施設の異動により研究基盤の整備に時間を要したことや, 評価方法の再検討を行う必要があったことが要因である。2021年度は、免疫染色、線維芽細胞の抽出・培養、遺伝子解析等を実施予定である。培養用試薬・器具、抗体等の消耗品に使用する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
線維芽細胞の割合をばらつきが少なく評価ができるように評価方法や抽出・培養条件について検討する。
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Causes of Carryover |
所属施設の変更によって研究環境の調整に時間を要しており、研究に遅れが生じているため。
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