2021 Fiscal Year Research-status Report
プレグナンX受容体を介する大動脈弁異所性石灰化機序の解明と病態生理学的意義の実証
Project/Area Number |
20K09117
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
大徳 和之 弘前大学, 医学研究科, 教授 (50374822)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬谷 和彦 弘前大学, 医学研究科, 助教 (40281919)
于 在強 弘前大学, 医学研究科, 助教 (40624268)
今泉 忠淳 弘前大学, 医学研究科, 教授 (90232602)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 重症大動脈弁狭窄症 / 大動脈弁間質細胞 / メノキナン-4 / プレグナンX受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】高リン酸条件下(3.2 mM)では,重症大動脈弁狭窄症患者から得られた大動脈弁間質細胞:HAVICs(Human aortic valve interstitial cells)の石灰化は,ワルファリンにより促進されることを報告した. 【目的】臨床応用されているビタミンK2製剤であるメノキナン-4 (MK-4)が高リン酸条件下(3.2 mM)におけるHAVICs石灰化を抑制するかどうかを検討すること. 【方法】本研究については,弘前大学大学院医学研究科倫理委員会へ申請し,承諾を得ている.十分な説明後に承諾を得られた重症大動脈弁狭窄症患者を研究対象とした.大動脈弁狭窄症手術で切除した大動脈弁よりHAVICsを単離し,培養した.石灰化はカルシウムと結合する色素Alizarin Red Sを用いて検出した.遺伝子発現はReal time-PCR法で調べた. 【結果】高リン酸化条件ではMK-4はワルファリンによるHAVICs石灰化を用量依存性に促進した.10 nMのMK-4単独でもHAVICs石灰化を促進した.また,MK-4はALP (Alkaline phosphatase)活性を増強させ,石灰化マーカーであるBMP-2 (Bone morphogenic protein-2)の遺伝子発現を促進させた.プレグナンX受容体 (PXR) 拮抗薬であるketoconazoleとcoumestrolにより,MK-4による石灰化は抑制された.プレグナンX受容体活性はMK-4により用量依存性に増加した.生理的リン酸化条件では,MK-4はBMP-2遺伝子発現を増強させ,BMP-2によるHAVICs石灰化を促進させた. 【結論】MK-4(ビタミンK2)はワルファリンと同様に,PXR-BMP-2-ALP経路によりHAVICs石灰化を促進する.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MK-4(ビタミンK2)はワルファリンと同様に,PXR-BMP-2-ALP経路によりHAVICs石灰化を促進することを細胞レベルで示すことができたが,モデル動物の作成と薬物投与に至っていない.
|
Strategy for Future Research Activity |
動物実験を開始し,薬物送達システムの研究とともに,薬物投与による大動脈弁石灰化抑制について検討を行う.
|
Research Products
(1 results)