2022 Fiscal Year Research-status Report
プレグナンX受容体を介する大動脈弁異所性石灰化機序の解明と病態生理学的意義の実証
Project/Area Number |
20K09117
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
大徳 和之 弘前大学, 医学研究科, 教授 (50374822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬谷 和彦 弘前大学, 医学研究科, 助教 (40281919)
于 在強 弘前大学, 医学研究科, 助教 (40624268)
今泉 忠淳 弘前大学, 医学研究科, 教授 (90232602)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 症候性大動脈弁狭窄症 / 大動脈弁間質細胞 / 黄連解毒湯 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】症候性大動脈弁狭窄症は弁異所性石灰化が顕著に現れたものであり、石灰化を抑制する薬物療法が待たれる。薬物治療の候補として、さまざまな漢方薬を検討した結果、黄連解毒湯が薬物治療の候補となった。本研究では大動脈弁間質細胞を用いてその効果について検討を行った。【目的】黄連解毒湯の弁異所性石灰化に対する抑制分子機構を解明すること。【方法】手術時にAS患者より摘出した大動脈弁を、コラゲナーゼ処理し大動脈弁間質細胞(HAVICs)を単離した。石灰化はカルシウムと結合する色素Alizarin Red S 染色法で検出した。石灰化関連遺伝子の発現はreal time-PCR法で検討した。【結果】AS患者由来のHAVICsは、石灰化刺激因子である腫瘍壊死因子(TNF-α(30 ng/ml))や高リン酸( 3.2 mM )刺激に対する感受性が高く、いずれの存在下でも有意に石灰化が進行した。上記結果は黄蓮解毒湯(10-30 μg/ml)共存により、いずれも有意に抑制された。TNF-α誘発HAVICs石灰化では、BMP2及びNF-kBの遺伝子発現亢進およびALP活性の上昇を有意に抑制した。同時に、石灰化亢進に関わるSmadリン酸化も有意に抑制した。【考察】黄蓮解毒湯はTNF-α誘発石灰化に関わるBMP2-Smad経路を抑制することでHAVICsの石灰化を有意に抑制したことから薬物治療の候補となり得る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
従来の実験系での検証は、予定通りに進んだが、小動物モデルの作成が難しいと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
SHRラットに高リン食餌を与え、大血管や大動脈弁に変化が起きるか実験する予定としている。
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Causes of Carryover |
コロナの影響により2021年に入学する予定であった大学院生が2023年にようやく入国可能となり、研究を推進できるようになった。従来の大動脈弁乾漆祭を使用した研究とともに、動物実験にも着手し、来年度遂行する予定としている。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Elucidation of the inhibitory effect of hopeaphenol on polynosinic- polycytidylic acid-induced innate immunity activation in human cerebral microvascular endothelial cells2022
Author(s)
Xu L, Yu Z, Uesaka Y, Kawaguchi S, Kikuchi H, Daitoku K, MInakawa M, MOtomura S, Furukawa KI, Oshima Y, Seya K, Imaizumi T
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Journal Title
Journal of Pharmacological Sciences
Volume: 149
Pages: 147-157
DOI
Peer Reviewed / Open Access