2021 Fiscal Year Research-status Report
先天性心疾患の外科治療における生体組織工学を用いた自己結合組織膜の臨床応用
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20K09131
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
前田 吉宣 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20438203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 正明 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40182422)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 生体組織工学 / 先天性心疾患 / 肺動脈形成 / 自家移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は肺動脈狭窄・低形成を合併する先天性心疾患の患者に対し、生体組織工学の技術を用いて患者自己の体内で作成した自己結合組織膜を血管壁素材として肺動脈形成術を段階的に行い、最終手術を目指すとともに、形成部位の開存性や発育可能性、安全性などを明らかにすることを目的としている。 実施計画に基づいて対象患者を選定し、当該期間中に自己結合組織膜(in vivo Tissue Engineered Vascular Graft)作成用鋳型であるシリコン基材の埋め込み術を1例(50mm長2本)、摘出術を3例行った。摘出例のすべてにおいて自己結合組織は鋳型周囲に形成され、その性状は良好であった。 鋳型の体内埋め込み期間中の有害事象は認めていない。またこれまで自己結合組織膜を用いて肺動脈形成を行なった症例に拡大部位の合併症や問題は現在までのところ認めていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の対象患者の選定、自己結合組織膜作成用鋳型の埋め込み術、そして埋め込み期間を経て鋳型摘出および自己結合組織膜の肺動脈形成術への応用は順調に遂行されている。 また計画実施において有害事象は認めておらず。安全性の確認も問題なく進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き本研究の実施計画に基づいて対象患者の選定と段階的手術時における自己結合組織膜作成用鋳型の埋め込み術を行い、次段階手術までの埋め込み期間中は当該部位の異常など有害事象に留意して慎重に観察を行う。 鋳型埋め込み後で次段階手術時期を迎えた症例は鋳型を摘出して、周囲に作成された自己結合組織膜を採取し、その血管代用素材としての性状を観察して肺動脈形成術に使用する。 肺動脈形成術後の症例については術後急性期や遠隔期の合併症や形成部位の形態変化の有無などについて評価を行う。
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Causes of Carryover |
研究計画に沿って経費支出と研究を行い、ほぼ交付額を支出した。 わずかに生じた残額は次年度分として引き続き研究支出したい。
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Research Products
(4 results)