2022 Fiscal Year Annual Research Report
術中心筋保護に対するアクアポリン7欠損の影響と作用機序の解明
Project/Area Number |
20K09134
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
藤井 正大 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60297926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 雄二 日本医科大学, 医学部, 准教授 (50328837)
別所 竜蔵 日本医科大学, 医学部, 教授 (60281432)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | AQP7 / 心筋保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
ジャクソンラボラトリー社にAQP7 Knock-out(KO)マウス(雄,C57/B6N)の復元・作製、繁殖を依頼した。 2020年度は週齢が12週未満のWild-type(WT)もしくはAQP7-KOマウスの摘出心をLangendorff装置で好気的に灌流し、心機能として左室発生圧(Left ventricular developed pressure:LVDP)を測定した。その後、(実験1:Control)では25分間の全虚血、(実験2:STH2)では5分間STH2投与後に20分間の全虚血を施し引き続き60分間の再灌流を行ってLVDPの回復率を測定した。再灌流後に心筋障害の指標としてTroponin T(TropT)、心筋浮腫の指標として水分含有量を測定した。(実験1)の結果WT、AQP7-KOにおけるLVDPの最終回復率(%)はそれぞれ46.6±15.4%、47.3±21.4%であった(p=0.9555)。Trop T(ng/g wetwt)測定値はそれぞれ934.0±341.1、1089.3±182.5であった(p=0.3485)。各群の水分含有量に有意差は認めなかった。(実験2)WT,AQP7-KOにおけるLVDPの回復率はそれぞれ66.75±11.1%、68.79±6.9%であった(p=0.7086)。Trop Tの測定値はそれぞれ75.6±45.9、80.2±52.2であった(p=0.8743)。各群の水分含有量に有意差は認めなかった。 2021年度は、AQP7欠損心におけるSTH2の有効性のメカニズムについて検証するため、心筋内のATPの含有量を測定した。STH2使用により、全虚血後のATPが温存されていることを突き止めた。 2022年度は、老齢のAQP7 Knock-outマウスの摘出心を使用したLangendorff灌流実験にてSTH2心筋保護液の影響を検討したが,WTおよびAQP7-KOにおけるLVDPの最終回復率(%)はそれぞれ70.7±11.6%、70.8±16.3%であった(p=0.9889)。Trop T(ng/g wet wt)測定値はそれぞれ566.5±550.0、547.8±594.3であった(p=0.9561)。AQP7欠損状態でも心筋保護効果は野生型マウスと同等の効果が発揮された。
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Research Products
(1 results)