2022 Fiscal Year Annual Research Report
Reparative macrophages contribute to development of solid replacement fibrosis through protecting cardiac fibroblasts
Project/Area Number |
20K09153
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
白石 学 自治医科大学, 医学部, 准教授 (10438658)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心筋梗塞 / マクロファージ / 線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
心筋梗塞(MI)後の適切な線維化組織形成は、心臓の構造維持に極めて重要である。M2様マクロファージは、心筋線維芽細胞を活性化することにより、MI後の線維化に重要な役割を担っている。MI後の心筋線維化が制御されるメカニズムは完全には解明されていないため、我々は、in vitroおよびin vivoで、MI後の線維化組織形成の細胞および分子メカニズム、特に細胞老化とアポトーシスの制御に関連するメカニズムを調べた。MI後7日目のマウス心臓から採取したCD206+F4/80+CD11b+ M2様マクロファージは、Neuregulin1(Nrg1)の発現が増加していた。Nrg1受容体の上皮成長因子受容体ErbB2およびErbB4は梗塞部の心筋線維芽細胞で発現していた。M2様マクロファージ由来のNrg1は、過酸化水素による線維芽細胞の老化とアポトーシスを抑制したが、ErbBの機能を阻害すると、両過程が著しく促進された。抗老化に関連することが示されたM2様マクロファージ由来のNrg1/ErbB/PI3K/Aktシグナルは、損傷した心筋線維芽細胞で活性化されていた。興味深いことに、心筋梗塞モデルマウスでErbB機能を全身的に遮断すると、心筋線維芽細胞の老化とアポトーシスが促進され、炎症が増悪した。さらに、M2様マクロファージの集積が増加し、MI後のマウスの心臓の線維化が過度に進行することがわかった。心筋梗塞における線維化組織形成の制御の基礎となる分子メカニズムは、Nrg1/ErbB/PI3K/Aktシグナルの活性化による心筋線維芽細胞のアポトーシスと老化の減衰であることが一部示された。M2様マクロファージを介したNrg1/ErbBシグナルの制御は、梗塞成体マウス心臓の線維組織形成に大きな影響を与え、心臓線維芽細胞の老化とアポトーシスの進行を抑制するために重要であることがわかった。
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