2022 Fiscal Year Research-status Report
Influence of shear stress on human aortic endothelial cell/smooth muscle cell interaction in bicuspid aortic valve aortopathy
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20K09154
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
川人 宏次 自治医科大学, 医学部, 教授 (90281740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂元 尚哉 東京都立大学, システムデザイン研究科, 准教授 (20361115)
木村 直行 自治医科大学, 医学部, 教授 (20382898)
中村 匡徳 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20448046)
相澤 啓 自治医科大学, 医学部, 教授 (50398517)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大動脈二尖弁 / 壁せん断応力 / 血管内皮細胞 / 血管平滑筋細胞 / MMP / 衝突噴流 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、遠心力で圧縮する独自の技術でコラーゲンゲルの剛性を高めた血管内皮細胞―平滑筋細胞共培養モデルを開発し、病的高壁剪断応力条件下での血管病態に関連する平滑筋細胞の形質および機能を解析した。その結果、20Paの病的壁剪断応力下においても血管内皮細胞/平滑筋細胞の相互作用が保たれていることが証明できた。本年度は、この実験モデルを用いて、高壁せん断応力が平滑筋細胞の表現型転換に及ぼす影響を調べた。高壁せん断応力負荷用に開発された平滑筋細胞/圧縮コラーゲン組織を表現型制御培地で培養し,平滑筋細胞の収縮型分化を促した。組織上に内皮細胞を播種、培養した後,2Pa、20Paの壁せん断応力を負荷した結果、静置培養および2Paに比べて20Paの壁せん断応力負荷で、収縮型平滑筋細胞マーカータンパクであるαSMAおよびCalponin1発現の低下を認めた。これは高壁せん断応力が血管平滑筋細胞の表現型転換を引き起こす可能性を示唆しており、この成果を第61回日本生体医工学会大会で発表した。また、上記モデルを用いて、衝突噴流環境下における血管内皮細胞のNO産生に関する実験を行った。衝突噴流負荷後,内皮細胞に取り込ませたNO蛍光指示薬DAF-FM DAの蛍光輝度によって内皮細胞のNO産生を評価した結果、衝突噴流負荷後の内皮細胞では静置培養と比較してDAF-FM DA蛍光輝度が高く,剥離部周辺で剥離せずに残った細胞においては特に高いDAF-FM DA蛍光輝度が認められ、血管内皮細胞に対して衝突噴流を負荷した結果、壁せん断応力と法線方向動圧が高まる領域でNO産生量の増加が認められた。このことから衝突噴流特有の力学環境が血管内皮細胞の過剰なNO産生を引き起こし,内皮細胞の剥離に関与する可能性が示唆された。この成果は、日本機会学会第35回バイオエンジニアリング講演会で発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自治医科大学臨床研究倫理委員会の承認の下、東京都立大学坂元尚哉准教授の研究室および名古屋工業大学中村教授の研究室と共同で、大動脈二尖弁症例の異 常血流が大動脈組織の変性や恒常性変化に及ぼす影響を、臨床データとin vitro実験モデルを使用して多角的に検証している。 2022年度は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により、本研究に関する検体採取及び関連実験も影響を受けた。具体的には、当該研究施設だけでな く、共同研究施設である東京都立大学と名古屋工業大学でも、学生教育業務や実験活動に制限が生じ、研究実験の実施が難しい時期もあったが、全体的な進捗状 況としては概ね順調に進展している。 2022年度は、血管内皮細動-血管平滑筋細胞を使用した共培養実験において、1.高壁せん断応力が内皮細胞と共培養した血管平滑筋細胞の表現型へ及ぼす影響、2.衝突噴流環境下における血管内皮細胞のNO産生、を検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も共同研究機関である東京都立大学と名古屋工業大学と共同で、大動脈二尖弁症例の臨床データと血管内皮細動-血管平滑筋細胞を使用した共培養実験モデ ルを使用した研究を継続する。2021年度は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により、本研究プロジェクトも影響も受けたが、定期的なオンライン会 議を継続し、各分担分野の進捗状況の確認を緊密に行う予定である。 今後は、血行力学ストレスに対する生体反応として、様々な剪断応力負荷下で、血管内皮細胞および血管平滑筋細胞からのMMP産生や血管平滑筋細胞のphenotype変化を中心とした解析を行う方針である。また、血管内皮細胞と血管平滑筋細胞のsignal transductionやTNFやTGFなど既報告の大動脈中膜組織の恒常性維持に影響を及ぼすサイトカインの影響も併せて解析を継続する予定である。また、MMP/TIMP関連分子の他、血管平滑筋細胞の収縮/合成型phenotypeのmarker(α-SMA・calponin・SM-1・SMemb・tropomyosin4)やapoptosis関連marker(caspase enzymes・Bax・Bcl-2・annexin V) などの発現も、qRT-PCRやwestern blotting法を用いて計測する予定である。
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Causes of Carryover |
2022年分で残金が生じたため、 2023年度への繰り越使用額が発生した。次年度繰り越額が発生した主な理由は、自治医科大学、及び共同研究機関である名古屋工業大学および東京都立大学で、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大による研究活動制限期間が設けられたためである。また、感染拡大に伴い、オンライン教育システムの構築に多くのeffortが費やされたため、予定されていた実験計画に多少影響が出た。 繰り越金を含め、2023年度支出は、共培養実験費用(Lonza社からヒト大動脈組織細胞:HAEC・HAoSMCの購入費用、共培養モデルの維持費用、同実験モデルの解析実験(Zymography・qRT-PCR・western blottingなど)費用、学会発表・英文論文校正費用などを予定している。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Bicuspidalization of the Native Tricuspid Aortic Valve: A Porcine in Vivo Model of Bicuspid Aortopathy.2022
Author(s)
Kimura N, Itagaki R, Nakamura M, Tofrizal A, Yatabe M, Yoshizaki T, Kokubo R, Hishikawa S, Kunita S, Adachi H, Misawa Y, Yashiro T, Kawahito K.
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Journal Title
Ann Vasc Dis
Volume: 15
Pages: 37-44
DOI
Peer Reviewed
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