2021 Fiscal Year Research-status Report
転写因子BHLHE41/DEC2の発現制御機構の多角的解析と肺癌における臨床意義
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20K09181
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Research Institution | Shizuoka Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
永田 俊行 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (70611763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 雅美 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (30250830)
上田 和弘 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (90420520)
狩集 弘太 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (20648050)
横枕 直哉 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (00418857) [Withdrawn]
前田 光喜 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (70795674)
武田 亜矢 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任助教 (80794700) [Withdrawn]
梅原 正 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (20837794) [Withdrawn]
上村 豪 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (80927187)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | BHLHE41/DEC2 / 非小細胞肺癌 / BHLHE41/DEC2発現制御機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
BHLHE41/DEC2免疫染色の実臨床への応用に関しては、肺癌手術検体を用いた免疫染色の数を増やすことで、早期肺門部肺扁平上皮癌症例も集積し検討することができた。結果は、BHLHE41/DEC2の発現と気管支壁浸潤の深さは有意に逆相関しており、肺腺癌と同様に BHLHE41/DEC2が非浸潤癌から浸潤癌への悪性化進展に関与し、浸潤化にともなって早期に減少することが示唆された。本年度の研究実績から今後はLepidic predominant adenocarcinoma症例やadenocarcinoma in situ症例に絞って解析し、発現の有無によって予後や多発病変・第2癌の出現の有無等を検討に加え、バイオマーカーになり得るかを評価することができる。その結果で、Histo-Tek R-IHCラピートを用いた迅速免疫染色導入を再検討する。 BHLHE41/DEC2の発現制御機構の解明に関して、肺癌細胞株を用いた in vitro実験と in vivo実験いずれにおいても、BHLHE41/DEC2の発現が亢進すると腫瘍細胞の増殖が抑制されることが確認された。更にBHLHE41/DEC2発現による腫瘍増殖抑制の機序の解明として、アポトーシスではなく、オートファジーの関与が大きいことが示唆される結果を得た。BHLHE41/DEC2は、初期の肺癌細胞のオートファジーによる細胞死の誘導に重要な役割を果たし、肺癌の進行を抑制すると考えられる本年度の研究実績を足掛かりとして、来年度はアポトーシス関連分子・オートファジー関連分子のプロモーターを用いたルシフェラーゼアッセイとCHIPアッセイ等も追加する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究環境が変化し、ハード面の準備に時間を要した。また、共同研究者とのコミュニケーションもzoomを用いたweb会議で改善傾向ではあったが、実験の手技や結果の検証等において十分なコミュニケーションが取れないことがあったのも、進捗状況が送れている原因の一つである。
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Strategy for Future Research Activity |
BHLHE41/DEC2免疫染色の実臨床への応用に関しては、本年度の研究実績と機材(Histo-Tek R-IHCラピート)の確保が難航していることから、対象症例を絞り、その検討で有意な結果が得られた場合に、次の工程としてしてHisto-Tek R-IHCラピートを用いた迅速免疫染色の導入を再検討する。 BHLHE41/DEC2の発現制御機構の解明に関しては、本年度の研究実績から注目すべき分子を絞りこむことができたため、アポトーシス関連分子・オートファジー関連分子のプロモーターを用いたルシフェラーゼアッセイとCHIPアッセイを追加で行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究環境の変化と社会情勢により、研究に遅延が生じたことや、研究成果を発表する機会が減ったことが理由である。次年度使用額が生じた分は、本年度の成果を発表することに使用する予定である。
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Research Products
(1 results)