2020 Fiscal Year Research-status Report
アカデミア創薬による肺扁平上皮癌治療のための新規臨床化合物の開発
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20K09185
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
猶本 良夫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00237190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深澤 拓也 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (20379845)
吉田 将和 川崎医科大学, 医学部, 特任研究員 (30868914)
湯川 拓郎 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80388975)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ミッドカイン / 肺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
成長因子またはサイトカインの1種であるミッドカインは、肺癌、食道癌をはじめとする多くの癌で発現がみられ、その増殖と進展に関与している。一方で正常組織におけるミッドカインの発現は低値に留まり、ミッドカイン遺伝子のプロモータ領域は、その癌特異性から癌診断や治療に応用されてきている。申請者らは、このミッドカインプロモータを用いたセルベースアッセイにより、4万4千種の化合物ライブラリからスクリーニングを行い、ミッドカイン特異的阻害剤:iMDKを見出だした。そして、当該低分子化合物が Phosphoinositide 3-kinase (PI3K)/AKT シグナルを阻害することで、非小細胞肺癌および口腔癌に抗腫瘍効果を誘導できること報告した。そして現在、iMDKの構造改変から得られた派生化合物を用いたin vitroでの解析から、肺扁平上皮癌に対してより強い抗腫瘍効果を示す複数の化合物の選定に至っている。 今回我々は、文科省 創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム:BINDSの技術支援下に、これらのリード化合物の最適化を開始した。東京大学創薬機構構造展開ユニットから同大学化合物ライブラリー内より新しい候補化合物の選定後、30種の供与を受けており、これらの肺癌細胞における抗腫瘍効果、apoptosis誘導効果につき解析を始めている。前者については細胞内ATPの定量をまた、後者はTUNEL法を用いて評価を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍でありながらも東京の創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム:BINDSとは、オンラインでの打ち合わせを行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
供与された化合物の特性を解析し、終了次第、必要により次の候補化合物の提供を受ける予定である。
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Causes of Carryover |
購入試薬が安価に抑えられたため、次年度使用額が生じた。 論文投稿費用に使用する。
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