2020 Fiscal Year Research-status Report
Viral vector-mediated gene therapy with neuron-specific promoters for chronic pain tratment
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20K09189
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
神田 恵 旭川医科大学, 医学部, 講師 (50516820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 浩嗣 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (00550641)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 慢性疼痛 / 神経障害性疼痛 / ウイルスベクター / 遺伝子治療 / 導入遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性疼痛は患者の生活の質(QOL)を大きく損なう。特に神経にまで損傷が及んだ際等に生じる神経障害性疼痛は難治性であり、従来の治療が効力を示さない場合も多い。さらに、オピオイドを含む既存の鎮痛薬は、副作用の出現や薬物依存の危険性を孕んでいる。このような現状から、新たな作用機序を持った次世代の鎮痛薬の創製や、治療法が切望されている。 我々はこれまでに、ヘルペスウイルスによる遺伝子治療が神経障害性疼痛に有効であることを示してきた。これらの成果を踏まえ、本研究では、神経組織へ特異的に遺伝子を導入することが可能なアデノ随伴ウイルスによる遺伝子治療を行い、その有用性と鎮痛機序を明らかにする。本研究を含めた一連の研究成果は、神経障害性疼痛の遺伝子治療の開発と臨床応用に繋がるものであり、その効果と安全性を実証することが出来れば、従来の治療に抵抗性を示す難治性の慢性疼痛に対し、疼痛治療の新たな道を開くと言っても過言ではない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GABAの合成酵素であるGAD67の遺伝子(GAD1)を発現するアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを作成し、ラット初代培養脳細胞におけるGABA産生への影響を調査した。緑色蛍光タンパク質(GFP)もしくはグルタミン酸デカルボキシラーゼ1(GAD1)を、サイトメガロウイルス(CMV)、シナプシンⅠ(SYN)またはCMVエンハンサー融合SYN(E/SYN)プロモーター制御下で発現するAAVベクターを作成した。妊娠17日目のラット胎児から脳細胞の初代培養を確立し、免疫染色により神経細胞の純度を確認した。次に、AAVベクターをラット初代培養脳細胞に投与し、48時間後に導入遺伝子の発現をqPCRで、培養液へ含まれるGABA量を質量分析法により定量した。GAD1を発現するAAVベクター(AAV-CMV-GAD1、AAV-SYN-GAD1、AAV-E/SYN-GAD1)の投与は、コントロールベクター(AAV-GFP-CMV)と比較してラット初代培養脳細胞におけるGAD1遺伝子発現を優位に増加させた。また、培養液中に含まれるGABA量はコントロールのものと比較して著しく上昇していたため、AAVベクターを用いたGAD1遺伝子の導入は、ラット初代培養脳細胞のGABA産生を促進していることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は本研究をさらに進めるため、作製したアデノ随伴ウイルスベクターの細胞レベルでの機能評価と並行して、動物実験レベルで評価を開始する。作製したウイルスベクターの機能評価が動物レベルにおいても確認することができれば、次に疼痛モデルラットを用いてアデノ随伴ウイルスベクターを投与し、その鎮痛効果を評価する。ここまでの研究が首尾よく遂行した場合、令和4年度には、アデノ随伴ウイルスベクターの鎮痛効果の分子生物学的メカニズムの解明を行い、成果報告のための論文執筆に取り組んでいくことを考えている。 より安全で確実な遺伝子導入による痛みの治療法の確立を目指し、将来的には痛みの遺伝子治療の臨床応用に向けて本研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
ウイルスベクターの作製ならびに、作製したベクターの機能評価を細胞レベルと動物レベルで行うため、試薬、ウイルスベクター作成キット、手術用器具、消耗品、実験動物(ラット)購入・飼育費などに充てる。また、中間報告として、国内外の学会にて成果報告することを考えているため、資料の収集、英文校正料や学会参加費(交通費・旅費を含む)に充てる。
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Research Products
(1 results)