2022 Fiscal Year Annual Research Report
Viral vector-mediated gene therapy with neuron-specific promoters for chronic pain tratment
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20K09189
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
神田 恵 旭川医科大学, 医学部, 講師 (50516820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 浩嗣 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (00550641)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | GABA / 神経障害性疼痛 / ウイルスベクター / 遺伝子治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経障害性疼痛モデルでは、γアミノ酪酸(GABA)作動性抑制系が減弱していることより、GABAの回復によって疼痛を和らげることが出来る可能性がある。本研究では、遺伝子治療を用いたGABAの産生亢進による痛みの緩和を目指し、神経細胞で標的遺伝子を発現させる性質を持ったアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを作成し、実験動物へのAAVベクター投与によって神経細胞特異的な遺伝子発現誘導が確立するかどうか調査を行った。 本研究の研究機関のうち2021年度後半から2022年度にかけては神経細胞特異的に標的遺伝子を発現させるアデノ随伴ウイルスベクターの作成を行い、初代培養神経細胞ならびに動物(ラット)においてベクターの標的遺伝子導入の機能評価を行った。本研究は、申請者所属施設の動物実験に関する規程と遺伝子組換え実験安全管理規程に基づき、動物実験委員会および遺伝子組換え実験安全委員会の承認を得て実施した。 緑色蛍光タンパク質(GFP)を、サイトメガロウイルス(CMV)またはシナプシンⅠ(SYN)プロモーター制御下で発現するAAVベクター(CMV-AAVベクターおよびSYN-AAVベクター)を作成した。各群n=3にて2種のAAVベクターをラットに髄注し、PCR法及び免疫染色法を用いて脊髄における導入遺伝子の発現を調べた。 PCR法において、CMV-AAVベクター投与群およびSYN-AAVベクター投与群の両群で、ラット脊髄でのGFP発現が誘導された。免疫染色法では、SYN-AAVベクター投与群で神経細胞に特異的なGFP発現が認められた。一方、CMV-AAVベクター投与群では神経細胞に加えて神経細胞以外の細胞においてもGFP発現が認められた。 本研究により、SYNプロモーターを持つAAVベクターは、ラット脊髄の神経細胞へ特異的に標的遺伝子を導入する性質を持つことが明らかになった。
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Research Products
(1 results)