2022 Fiscal Year Research-status Report
プレハビリテーションによる脳虚血後の高次脳機能障害の予防及びその機序に関する研究
Project/Area Number |
20K09203
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
恵川 淳二 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (00453168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 祐介 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (00623498)
井上 聡己 奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (50295789)
川口 昌彦 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60275328)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | プレハビリテーション / 脳虚血 / Caveolin-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、Prehabilitationを行なった高齢ラットでは脳虚血後の高次脳機能の予後がPrehabilitationを行わないラットに比べ良好であるという仮説を検証することにある。手術手技の確立に時間を要したが、虚血手術自体は完遂できるようになった。また、行動実験に関しては問題なく施行できている。現在の行動実験の傾向では、プレハビリテーション群とコントロール群で実験結果に大きなはばらつきが出ている。これについては、昨年からの課題であり、血圧や血糖値、動脈血酸素分圧、動脈血二酸化炭素分圧など一定に保てるようにしているがばらつきは大きい。個体差が大きいのかもしれないが、もう少しサンプルサイズを増やして検討をしていく必要がある。本研究においては、Caveolin-1というタンパクがプレハビリテーションの有効性に関連していると仮説を立てて行なっている。このタンパクの発現については、ウェスタンブロットによる生化学的実験と免疫染色による組織学的検討を用いて行っている。行動実験(Passive avoidance)の結果は、プレハビリテーション(+)群(n=11)とプレハビリテーション(-)群(n=12)で有意な差は認めていない(中央値:300 vs 226, Mann-Whitney U P=0.379)。ただし両群ともばらつきが非常に大きいため、サンプル数が増えた段階でもう一度検討が必要となる。両群の虚血時の平均血圧(39±1.8 vs 37.3±1.8, P=0.58), 動脈血pH (7.44±0.03 vs 7.45±0.04,P=0.91),動脈血酸素分圧(159±65 vs 139±32, P=0.08),血糖(272±31 vs 255±55, P=0.07),ヘマトクリット(41.2±1.7 vs 41.4±2.6, P=0.14)であり、両群の手術は同等に行われていると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
手術手技の確立に時間を要した。虚血手術後の生存率が低く、適切な血圧や虚血時間の設定を見つけるのに時間を要した。また、ウェスタンブロットなどの生化学検査にても、適切な抗体の選択や転写時間、ブロッキング時間などを模索するのに時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
虚血手術手技自体は、完全に確立した。行動実験において、個体差が大きく、サンプルサイズをさらに増やして検討をしていかなければならない。生化学的実験と組織実験については、引き続き継続していく。
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Causes of Carryover |
研究計画に遅れが生じているために、行えていない実験がある。生化学検査及び組織学的実験のための抗体の購入や消耗品の購入、追加実験の際のラットの購入を予定している。
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