2020 Fiscal Year Research-status Report
Molecular biology of the mechanism of tobacco-induced reduction of lung barrier function based on HIF-1 activity analysis
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20K09210
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
西 憲一郎 関西医科大学, 医学部, 研究員 (50340716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広田 喜一 関西医科大学, 医学部, 教授 (00283606)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 喫煙 / タバコ / タバコ抽出液 / 肺胞上皮 / 肺血管内皮 / 細胞間バリア / 低酸素誘導性因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
喫煙が気管支肺胞細胞を直接刺激し転写因子HIF-1(低酸素誘導性因子1, hypoxia-inducible factor 1)活性化をもたらし肺のリモデリングに影響を与え肺機能に影響する現象の分子基盤を追究し報告してきた。喫煙は気管支肺胞系の解剖学的変化を通じて肺機能に大きな影響を及ぼし集中治療を含む周術期の患者全身管理に影響を与え予後に影響することが判明している。この分子基盤として肺胞上皮・肺血管内皮で形成される肺胞バリア機能の惹起される炎症による低下がある。周術期にダイナミックな酸素環境の変化を受ける肺胞上皮細胞・肺血管内皮細胞の細胞間バリアの機能に着目して喫煙がHIF-1活性化を介してバリア機能低下をもたらす分子機序とその予防法の確立を細胞生物学・分子生物学・バイオインフォマティクスを統合した手法を用いて目指す事が目的であった。 肺血管内皮細胞(HPMEC)で形成した細胞間バリアを用いて蛍光物質FITC-デキストランの透過性を指標に定量化する血管透過性を測定する実験系を構築することに成功した。この実験系を用いて以下の検討を行った。LPSを用いて細胞処理をして血管透過性の変化を観察した。さらに、転写因子HIFの活性化を低酸素環境への曝露、HIF-PH阻害薬であるDMOG, roxadustatを用いて血管透過性の変化を観察した。次にタバコ抽出物(cigarette smoke extract, CSE)の影響を検討した。従来確立していた方法によりCSEを調製した。このCSEがHIF活性化をもたらすかの検討を行った。 この結果、LPSにより透過性の亢進が起こる細胞間バリアの構築に成功した。さらにHIF活性化刺激により透過性の亢進が起こることを示唆する実験結果を得た。またCSEによるHIF活性化がHPMECで起こる事が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞間バリアの構築などを含めて概ね研究計画通りに研究が進行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
タイトジャンクションを形成する蛋白質であるOccludin、Claudin-5、ZO-1、VE-cadherinの発現をmRNA、蛋白質のレベルで検討するする事に加えて免疫組織染色を用いて細胞内局在を調べる実験を行う。この過程でHIFの活性化が細胞間バリアの阻害をもたらす分子機序の解明に進む。 さらに肺胞上皮細胞バリアモデルを再度構築してHPMECを用いた実験結果との異同を検討する。
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Causes of Carryover |
研究の遂行にあたり必要に応じて無駄のない研究費の執行に務めたため、当初の見込み額と執行額に差額が生じたが、研究計画に大きな変更はなく当初の予定通りに研究を遂行し、適切な研究費の使用に務める。
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Research Products
(6 results)