2021 Fiscal Year Research-status Report
敗血症病態時の好中球細胞外トラップ産生能とmicroRNAによる制御の解明
Project/Area Number |
20K09211
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
中嶋 康文 関西医科大学, 医学部, 教授 (70326239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 淳 関西医科大学, 医学部, 研究医員 (40433263)
影山 京子 関西医科大学, 医学部, 研究医員 (80347468)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | microRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
健康成人被験者から、1回20mlのクエン酸採血を行い、遠心操作にてHistopaque等を用いて好中球の分離を行った。好中球の培養実験 糖濃度の異なる培養液を用いた好中球の培養系において、LPSを含有する培養液で24-48時間培養後、ホルボール12-ミリスチン酸13-酢酸塩(PMA)負荷し、好中球の脱顆粒化、NETs、ヒストンを蛍光色素染色後、蛍光倒立顕微鏡で観察、または培養後の回収液をフローサイトメーターで定量化し、対象群と比較検討した。(Joshi MB, et al. FEBS Letters 2013; 587) 好中球検体からmirVanaTM miRNA Isolation Kit 等を用いてmiRNAを抽出した。 1)包括的miRNAの発現プロファイリング 定量性のある網羅的miRNAプロファイリングを、従来のマイクロアレイ法よりも、優れた次世代高速シーケンサーIon PGMシステム(Life Technology社)を用いた。2)Small RNAのライブラリ作成 Ion Total RNA-Seq Kitを用いる3)cDNAに変換、増幅 逆転写後、エマルジョンPCR法で、cDNAを増幅 4)シーケンシング(3時間)シーケンサーによるmiRNA発現定量 5)データ解析(1時間)サーバーにSFFまたはFASTQ形式データの転送 統計学的な有意差検定を伴う発現定量解析には、CLCバイオ社の解析ソフト(Genomic Work Bench)を使用した。その中で、複数のmiRNA Prediction Tool(Miranda, Target Scan Human5.0, PicTar, miRBase Targets Version 5.0)より、特にNETsを含む、細胞死・炎症惹起物質に関連する伝達RNAに相補配列のあるmiRNAを選別した。しかし、次世代シーケンサーのキットが旧世代で、高濃度のmiRNAを必要とするため思ったような結果が出なかったため、外部委託業者に、新しい試薬と次世代シーケンサーを用いてmRNAおよびmiRNAの網羅的解析を依頼することになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で、外部委託業者の出勤時間、営業時間が限られていたため、新しい試薬と次世代シーケンサーを用いてmRNAおよびmiRNAの網羅的解析を依頼したものの実験の施行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度の初めに外部委託業者に依頼した実験結果が出る予定になっているため、その結果に基づいて、ICU入室患者を対象に、1)非敗血症患者、2) 耐糖能障害の無い敗血症患者、3) 耐糖能障害の有る敗血症患者から採血後、好中球を抽出し、細胞培養研究で検討した好中球の脱顆粒化、NETs、ヒストンの発現、及びmiRNA発現のデータの比較検討を行う予定にしている。
また、培養実験において、対象となったmiRNAの遺伝子導入またはノックダウンをした場合にターゲットの蛋白質の変化が確認できるのかも観察する。
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Causes of Carryover |
令和4年度の初めに外部委託業者に依頼した実験結果が出る予定になっているため、その費用の支払いをする必要がある。 また、その結果に基づいて、ICU入室患者を対象に、1)非敗血症患者、2) 耐糖能障害の無い敗血症患者、3) 耐糖能障害の有る敗血症患者から採血後、好中球を抽出し、細胞培養研究で検討した好中球の脱顆粒化、NETs、ヒストンの発現、及びmiRNA発現のデータの比較検討を行う予定にしているため、その実験に費用が必要である。
また、培養実験において、対象となったmiRNAの遺伝子導入またはノックダウンをした場合にターゲットの蛋白質の変化が確認できるのかも観察するための費用が必要である。
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